複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う

Albert Einstein

暗号通貨バブルが弾けてはや3年。マーケットの回復を願って、あなたは「ただぼーーーっと神頼みしているだけ」ではありませんか。一般相対性理論を発見した20世紀最高の物理学者アルベルト・アインシュタインは、複利効果を人類最大の発明だと評しました。

私は基本的に長期投資を行っているのですが、バブル崩壊後最も力を入れているのが、このレンディングやステーキングサービスです。毎日利子や配当という形で複利で資産が増えていきます。

複利と単利の違い

複利は元々の元本に利息を加え、再投資をしていくで、単利は受け取った利息を再投資しない場合を指します。

複利効果のポイントは、利子を元本に組み入れる事で、より大きくなった元本が更に利子を得る「金が金を生む」仕組みになっている事です。時間の経過と共にリターンは大きくなり、財産は何もせずともスノーボールのように増えていきます。

バブル崩壊前後では、セキュリティ、カストディ(保管業務)、保険などの高度化により、マーケットにおけるレンディングサービスを取り巻く環境も大きく変わっています。またEthereumの基盤が中心となって提供しているDeFi(分散型金融)サービスも、スマートコントラクトを備えたFlare NetworkやCardnoのGoguenによって、いよいよXRPやADAのエコシステムにもぞくぞくと提供され始めると予想出来ます。

もし現在複利運用を行っておらず、これから行動に移そうと思っているなら一日でも早いに越したことはありません。なぜなら複利は時間が経てば立つほどリターンが大きくなるからです。そうはいっても暗号通貨のレンディングサービスには多くの種類があり、当然リスクも存在します。

レンディングとは

レンディングとは、あなたが保有している暗号通貨をCEX(中央集権型取引所)/DEX(分散型取引所)などのプラットフォームに貸し出し、期間と貸付量に応じて利息分を暗号通貨などで得られるサービスです。

利子となる原資の出所ですが、基本的にはレンディングを提供する取引所が、ローンや信用取引などの「貸し手」と「借り手」を仲介し、借り手が仲介者を通して貸し手に金利を支払います。これが基本的なレンディングの仕組みですが、原資の出所は取引所のビジネスモデルによって若干異なります。特にCEXでは、ビジネスモデルの根底に関わる部分なので、具体的には非公開というケースが多くなっています。

暗号資産の複利効果を最大化する5つのポイントと10の変数

レンディングの運用を開始する前に、複利効果を最大化する為に以下の5つの重要なポイントと10の変数を理解する必要があります。どこに重点を置くかは、それぞれ考え方や懐事情、環境が違うのでご自身でプランを立て判断しましょう。

  1. 元本の大きさ(大きい/小さい)
  2. 利回りの大きさ(高い/低い)
  3. 運用期間(長い/短い)
  4. 将来の暗号資産の値上がり率(大きい/小さい)
  5. 税率(低い/高い)

中央集権型(CeFi)レンディングサービス一覧

レンディングサービスを利用する場合、決して一か所に集中させず、必ず複数に分散させリスク回避を行いましょう。本稿執筆時点では、XRPのレンディングサービスは、BTCやETCと比較すると中央集権型が多く数も限られます。またレンディング環境やレートも常に変化しています。

日本では、金融庁の管理下に置かれている取引所の運営にはライセンスが必要ですが、このレンディングに関してはライセンスが存在しません。また、日本の業者で利用料を対価とする暗号資産のレンディングをしている場合、消費税の課税対象になります。

日本の取引所では、顧客の暗号資産には分別管理が義務付けてられており、何かあった場合は原則として保証されますが、このレンディングサービスは対象外です。コインチェック事件後も、Zaif、BITPointなど盗難事件は後を絶ちません。世界の中でも日本は3年ぐらい遅れており、取引所の業績は厳しい状況が続いています。カウンターパーティリスクに注意して選択しましょう。

以下、私が実際に利用しているサービスを中心に紹介します。

これらの外部サービスの利用を行う場合、すべて自己責任となります。当サイトは、投資等により生じた損失に関して一切責任を負いません。

Vauld 利率12.68%~1%

2018年9月に設立されシンガポールに本社を置く企業。製品および技術などのチームはインドに拠点を置いている。レンディングとローンサービスは33種類のアセットに対応し、BTC、ETH、XRPといった主要な暗号通貨で業界最高の金利を提供。通常の固定金利に加え30日の定期預金がある。特徴は一日の引き出しに制限が無い為、大口でも使い勝手が良い。Exchangeでは、オーダーブック形式から両替所、OTCデスク、自動投資プラン(AIP:Automatic Investment Plan)まで幅広い取引機能を揃えている。

Nexo 利率10%~5%+2%

Nexoはローンとレンディングを軸に運営しており、2018年3月に行われたICOで独自のプラットフォームトークンであるNEXOトークンを発行している。現在ステーブルコインや法定通貨も含め22種類に対応し、預金ウォレットのNEXOトークンの保有比率に応じて金利が段階的にアップするロイヤルティプログラムを導入。さらにNEXOトークンで支払いを受けることを選択すると、すべての資産に対して+2%のボーナス利息が受け取れるサービスや固定期間システムがある。入金の翌日から金利は適応され、毎日自動的に複利で運用される。預金ウォレットからの出金はいつでも可能だが、一日最大500,000ドルの上限がある。(KYCの認証状況によって上限は変わる)

CoinLoan 利率10.3%~3.1%

2017年2月に設立されたヨーロッパのエストニアを拠点とする、暗号通貨を担保にしたP2P融資サービスのパイオニア企業。エストニアの金融監督局によって規制され、ヨーロッパの金融ライセンスを保持して国際的な規制に準拠しています。現在ステーブルコインや暗号資産も含め26種類のアセットに対応し、ローン/レンディング/トレーディングの3つを軸に使いやすいサービスを提供している。Interest Accountでは、資産を保管するだけで利息が毎日発生し、毎月月初に振り込まれる為、月次複利での運用が可能。資金のロックアップは無く、最短一日でいつでも引き出しが出来る。プラットフォームトークンであるCLTの保有数によって、段階的に最大2%のレンディングレートのアップがある。

Bitrue 利率72%~0.09%

2018年12月6日から、シンガポールが拠点のXRPが基軸の取引所が、レンディングサービスを開始。利子の原資は、デジタル通貨のローン、取引所の売買手数料、取引所トークン(BTR)の販売などが予想される。現在ステーブルコインも含め54種類に対応し、業界最高レートを維持する為に常に競合他社を監視している。サービスは、BTRを500ドル以上保有すると通常レートに加え金利がアップするPower Piggyと、BTRを保有しながら30日間のロックアップで最高金利が貰えるBTR Lockupsの2種類がある。

YouHolder 利率12.3%~2.5%

2018年11月にレンディングサービスを開始。FX/CFD取引の専門家が集まって作ったプラットフォームで、キプロスとスイスに2つの主要オフィスを持つ。現在ステーブルコインも含め33種類に対応。報酬は4時間毎にウォレットの合計残高がカウントされ、1週間後全てのウォレットに保有していた平均金額を基に、各通貨で利息の支払いがされる。金利には制限があり、金利対象のウォレットの総額は100,000ドルまでに限られる。但し、100,000ドルを超える金額で利息を稼ぎたい場合は、証拠金取引であるMulti HODLにポジションを開き、金利報酬を得ながらレバレッジを効かせて資産運用が可能。そのポジション全体の価値で最大800%の利息を稼ぐことも出来る。

Crypto.com 利率10%~0.5%

2016年6月に設立された本社が香港の企業が運営。ローン、VISAカード、アプリ決済、取引所、自社トークンの発行、DeFiWalletなど、クリプトの領域で幅広く事業を手掛けている。モバイルアプリでは、現在ステーブルコインも含め28種類に対応したサービスを提供。3ヶ月、1ヶ月のロックアップ型、いつでも引き出せるフレキシブルの3種類を提供している。MCO Visa Cardを発行し、自社トークンであるCrypto.com Chain Token (CRO)を6ヶ月間25,000CRO以上ロックするとそれぞれ金利が上がる。WebのExchangeでは、利率は低いがアカウントに保持しているだけで、毎日利子が貰えるソフトステーキングも提供している。

破綻:Blockfi 利率8.5%~0.25%

2017年8月に設立されたニューヨークを拠点とするスタートアップのサービス。現在ステーブルコインも含め13種類に対応し、ローンとレンディングを軸にトレードサービスなども提供している。資金ロックは無く、利子は毎月月初(営業日)に振り込まれる。利息の受け取りは取り扱いのある通貨の範囲内で、希望する通貨(デフォルトは同じ通貨)で受け取る事が可能。毎月の複利で運用が可能。

破綻:Cred 利率12%~2%+α

米サンフランシスコが拠点。UpholdやHuobi Walletなど本稿執筆時点では12の企業と提携し、裏方としてレンディングサービスを提供している。現在ステーブルコインも含め36種類に対応。自社トークンであるLibraToken(LBA)をアカウントに10,000LBA保有すると、通常よりも高いプレミアムレートが適応される。利息は米ドル連動のステーブルコインで支払われ、初回6ヶ月のロックアップ後は3ヶ月毎のロックインサイクル。更に150,000ドル以上の大口投資家は、担当者が付くManual Ticketの利用が可能。パートナー企業を通さない直接契約で、一般には公開されていない特別レート(LBA不要)が提示される。こちらは暗号通貨での受け取りも可能。

ステーキングサービス(その他)

ステーキングは、PoSのアルゴリズムを採用している通貨で行うことが出来ます。基本的にCeFiのレンディングと違いプロトコルベースで機能しているので、取引所などの仲介者を必要としません。同じ通貨であってもステーキングで運用するより、取引所などのレンディングの方が高い利率を提供している場合があります。しかしながら、取引所が提供するレンディングは、ハッキング、倒産、持ち逃げ、凍結など多くの潜在的リスクが存在しますので、当サイトではステーキングを推奨します。

それらの点に注意して、私が実際に利用しているサービスを中心に紹介して行きます。

Cardano(ADA)

2020年7月末に分散化を目的にByronからShelley移行時に導入された。総発行数450億ADAの内、140億が最初の10年間でステーキング報酬として分配される。報酬は1エポック5日毎に貰え、毎年徐々に減少する。プラットフォームの開発を請け負うIOHKによれば、年間収益率は約4.6%だと予測されており、ダイダロスやヨロイといった専用ウォレットからステーキングの委任が行える。

SingularityNET(AGIX)

2020年4月から、AIプラットフォームのエクスチェンジゲートウェイの流動性プールに、インセンティブとして導入された。ステーキング方法は30日毎のロックアップで、Ethereumのスマートコントラクトで動き、ステークウィンドウは満期日の7日前から開かれる。MetaMaskで参加し、ステーク量に応じて毎月10万AGIXが参加者へ分配される。今後はCardanoやAIキュレーションマーケットでもステーキングが導入される予定。

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