シンギュラリティネット財団による2021年度の財務報告書レビュー

SingularityNET(シンギュラリティネット)の2021年度のハイライト

シンギュラリティネット財団は、2021年度の財務報告書を公開しました。 の報告書は、運営チーム、財団理事会、監督評議会によって承認され、2022年8月1日にコミュニティーに報告されました。

2021年度の財団の活動におけるハイライトは以下の通りです。

  • 当期純利益は1,711,190ドルに増加前期の529,346ドルから323.26%アップの大幅増、200万ドルの雇用計画も実施
  • 期末資本は14,453,580ドルに増加:更に4,669,305ドルのAGIX-ADAをオフバランスシートに追加
  • エコシステム全体のAI研究開発費は2,480,261ドル:前年比105%アップ
  • 複数のエコシステムプロジェクトが資金調達を実施SingularityDAO(550万ドル)、NuNet(550万ドル)、Awakening Health(350万ドル)、SophiaDAO(150万ドル)
  • その他、スピンオフプロジェクトのインキュベーションが進行中:HyperCycle、Rejuve、Mindplex、Jam Galaxy、Pathform、Cogitoなどが準備中。

2021年度のAGIXトークンの概況

AGIXトークンの価格は、財団の財務の健全性を知る上で重要な指標です。価格は、2019年から2020年にかけてのクリプトウィンターの時期には0.01~0.03ドル程度で推移していましたが、9月6日には2018年1月20日に記録した過去最高値1.98ドルに次ぐ0.63ドルを付け、2021年の財団の決算を下支えしました。しかし、2021年第4四半期には0.20~0.40ドルの間で変動し、2022年上半期にはアルトコインの弱気相場により0.04ドルまで下落しました。

SingularityNETのフェーズ2の展開は、2021年における最も重要な成果の一つでした。2021年1月29日に発表されたこの取り組みにより、AGIXトークンがCardanoと相互運用出来るようになり、複数の業種に渡るSL2プロジェクトによるAGIXトークンの利用拡大計画によって、抜本的にエコシステムを拡大する将来のロードマップが明確に示されました。

また、2021年5月28日には、EthereumとCardanoのブロックチェーン間で相互運用可能なトークンを提供するために、AGIとAGIX間における1対1のエアドロップが実施されました。フェーズ2の計画に従って構築された新しいAGIX-ADAトークンは、2021年7月から発行され、2022年2月28日現在、113,885,498 AGIXがMintされています。

以上のように、AGIXトークンの価格とSingularityNETのフェーズ2の展開は、財団の活動にとって重要なポイントとなっています。

エコシステムとスピンオフプロジェクトの概況

SingularityDAOとNuNetの両社は、2021年に約5,500,000ドルずつ、合計11,000,000ドルの資金調達を行いました。財団はこれらのスピンオフプロジェクトから大きな利益を得ています。SingularityNETは毎月、SingularityDAOからトークン割り当てを受けており、財団の2021年度の資金調達に大きく貢献しています。NuNetのNTXトークンはまだ流動性が低いですが、2022年と2023年には同様の貢献が期待されています。

その他のスピンオフもトークンの発行と資本調達の最終準備に入っています。その一つが、Hanson Robotics Ltd.とのジョイントベンチャーであるAwakening Health Ltd.です。 世界初のヒューマノイドAIロボットによるヘルスケアアシスタントを開発するこのプロジェクトでは、研究開発を支援するために350万ドルが調達され、そのうちの150万ドルがSingularityNETの組織との研究資金に充てられています。また、AIロボットの大量生産、医療製品の研究、デジタルヘルスケアを加速させるため、シリーズAの資金調達ラウンドに移行しています。

さらに、SingularityNETは、Hanson Roboticsと一緒にSophiaDAOを立ち上げ、共同資金調達プロジェクトで150万ドルを調達しています。この資金調達では、SophiaDAOの商業部門であるSophia Labs Ltd.の支援も行っており、SophiaDAOのプロジェクト 「Age of Singularities」では、メタバースデザイン、Sophia AI Labs構想、ランドバンク戦略などが進展しています。

その他、HyperCycleRejuveMindplexTrueAGIJam GalaxyPathformCogitoなどもスピンオフの仲間入りを果たすために準備を進めています。

2021年度の財務報告書レビューと2022年度予算

2021年度の財務報告書のレビューと、2022年度の予算に関する資料がダウンロードできます。

財務レポートの要約

損益計算書(P/L):単位米ドル

SingularityNETの総収入は、6,716,004ドルであり、トークン販売収益とAGIXとクリプトの売却損益に加え、暗号資産のUnrealized Gain or Loss(未実現損益)が大部分を占めています。当期純利益は、2020年の529,346ドル、2019年の3,940,494ドルの赤字から、1,711,190ドルに大幅に改善しましたが、TGEが行われた2018年の17,361,008ドルの利益からは減少しています。

トークン販売による総収入は、2019年とほぼ同じ886,922ドルであり、昨年の2,787,482ドルから大幅に減少し、2018年の34,507,340ドルを下回りました。クリプト(3,238,552ドル)とAGIX(2,335,530ドル)の実現キャピタルゲインを考慮に入れると、未実現利益は9,085,916ドルに達し、包括利益合計はピーク時の2018年の7,163,739ドルを大幅に上回り、10,797,106ドルとなっています。

総経費は、2020年の2,320,087ドルから2021年には5,004,814ドルに増加しました。AI研究開発費に割り当てられた総費用は、2020年の1,209,411ドルから微増して1,315,809ドルとなりましたが、財団が調整する複数の組織にわたる広範なフローをAI研究開発に含めると、支出はより多くなります。また、スピンオフに関連する長期投資で197,891ドルを追加で資産計上し、OpenCog HyperonのサポートやAwakening Healthの対話システムの開発など、オープンソースの研究に966,561ドルを費やし、2021年のAI研究開発投資の総額は、前年比105%アップの2,480,261ドルとなっています。

Profit & Loss(損益計算書)2018年2019年2020年 2021年
Income(収入)
Proceed from Token Sales34,507,340852,6872,787,482886,922
Sales & Grants434,46361,951255,000
Total income(総収入)34,507,3401,287,1492,849,4331,141,922
Operating Expenses(営業経費)
AI Research & Development3,129,1432,664,1141,209,4111,315,809
Business Development575,233500,84282,250
Finance & Administration 306,516
Marketing1,254,397734,169130,249431,694
Operations1,061,295851,939182,265415,699
Platform Development688,505945,310694,7081,003,726
Total Operating Expenses(営業費用合計)6,708,5735,696,3742,216,6333,555,694
Other Expenses(営業外費用)
Legal Expenses234,502
Legal Expenses for the ICO1,479,000
Dues & Subcription241,605
Other Expenses318,740
Other non recurring (income) Expenses103,454654,273
Total Other Expenses 営業外費用合計) 1,479,000 103,454 1,449,121
Total Expenses(総経費)8,187,5735,696,3742,320,0875,004,814
Other Income(その他の収益)
Capital Gain or Loss on Cryptos(8,958,759)468,730 3,238,552
Capital Gain or Loss on AGIX 2,335,530
Net Income(当期純利益17,361,008(3,940,494)529,3461,711,190
Other Comprehensive Income(その他の包括利益)
Unrealised Gain/ (Loss on Cryptos)(10,197,269)1,846,017(728,675)9,085,916
Total Comprehensive Income(包括利益合計)7,163,739(2,094,477)(199,329)10,797,106
2021年度からは、公正価値で測定された、または指定された販売用暗号資産の保有による未実現損益を証明するため、
すべての会計期間において、未実現損益を「その他の包括利益(OCI)」として再分類しています。
Other Comprehensive Income(その他の包括利益) :単位米ドル

2021年の財務報告書から、財団は公正価値で測定される売却用暗号資産の保有から生じる未実現損益を立証するため、「その他の包括利益」に未実現損益を再分類しています。この再分類により、未実現損益は純利益から除外されるため、前年度および当報告書には影響を与えません。

暗号資産の未実現損益は、販売用および無形資産として保有する各デジタル通貨の前年度末の価値と、2021年12月31日現在の公正価値との差額を表しています。以下の表は、報告期間末日における暗号資産の公正価値を示しています。

Other Comprehensive Income 2020年12月31日 2021年12月31日
Unrealised Gain or Loss on Crypto assets(728,675)9,085,916
Total Income(総所得)の内訳:単位米ドル

トレジャリーは、市場のボラティリティの上昇を利用し、SingularityNETの大量の資金を比較的高い価格でロックすることにより、OTCバイヤーの活発なネットワークを作り、財団の研究や運営資金を調達するためのトークンセールの負の影響を回避することができました。具体的には、SingularityNETのトレジャリーから17,529,117AGIXトークンを販売(買い取りと売却の純額)し、480万ドルの現金をステーブルコインや他の暗号資産で実現しました。また、AGIXトークンの販売に加えて、120万のSDAOトークンを合計150万ドルで販売し、BTC、ETH、BNBの販売から217万ドルの現金を得ています。

Revenues2020年12月31日 2021年12月31日
Cryptocurrency sales2,588,750
AGIX Token Sales2,787,4823,872,254
Other contracts61,951255,000
Total2,849,4336,716,004

会計基準に従い、AGIXトークンは財務報告において無形資産として認識され、会計年度末の価値(2020年12月31日時点)で評価されました。一方、AGIXの販売によって実現した純益は、営業費用のうち「Capital Gain or Loss on AGIX」として計上されます。暗号資産の売却については、過去のコスト(2020年12月31日現在)と再販によって実現した純益が、「Capital Gain or Loss on Crypto」として営業費用に計上されます。

貸借対照表(B/S):単位米ドル

SingularityNETのバランスシートは、BTC、ETH、ステーブルコイン、そして新たに発行されたエコシステムトークンのSDAOやNTXなど、保有する暗号資産の価値がバスケット全体で上昇したことにより、総資産が急増しました。具体的には、総資産は2020年と2019年の560万ドル台から16,295,881ドルに達し、2018年の過去最高記録の2倍以上になっています。

Balance Sheet(貸借対照表)2018年2019年2020年 2021年
Assets(資産)
Cash4,174,543310,459189,746289,223
ETH1,256,47935,513168,2181,524,622
BTC1,579,1171,145,9991,445,041560,994
Inventory BNB743,623
Inventory SDAO907,991
Inventory NTX495,000
Inventory USDT1,775,197
Inventory USDC901,978
Intangible Assets(無形資産)
Intangible Assets – AGI3,637,0992,572,8686,199,952
UNI/ETH645000
UNI/USDT410,000
Total Liquid Cash(流動資産合計)7,010,1395,129,0694,375,87314,453,580
Pre-paid Contract 250,000
Other current assets(その他の流動資産)
Vat Claim39,560
Long Term Investments444,0091,197,8281,802,741
Total Assets(総資産)7,260,1395,573,0795,573,70116,295,881
Liabilities(負債)
Accounts Payable96,400503,817703,769305,618
Other Liabilities323,225
Total Liabilities(負債)96,400503,818703,769628,843
Net Income(当期純利益) 17,361,008(3,940,494) 529,3461,711,190
Accumulated Other Comprehensive income(10,197,269)(2,094,477)(199,329)10,797,106
Retained Earnings7,163,7395,069,2614,869,932
Total Equity(資本合計)7,163,7395,069,2624,869,93215,667,038
Total Liabilities and Equity (負債資産合計) 7,260,1395,573,0795,573,70116,295,881
Off Balance Sheet(オフバランスシート)
Intangible Assets – AGIX-ADA8,790,543
デジタルアセットはバイナンスでの時価です。AGIは2018年3月の段階では取り扱いがされていなかったため評価されていません。
財団が保有するAGIXトークンの推移

年度末のAGIXインベントリには、30,571,755のトークンが残っており、2017年末の最高値である337,179,019から減少しています。また、Cardano版のAGIX-ADAトークンは2021年7月からMintされ、2021年末には86,691,745AGIXが発行されました。なお、そのうち50%が財団のウォレットに割り当てられていますが、ERC-20コンバータツールが機能するまで取引ができないため、オフバランスシートで43,345,873AGIXが8,790,543ドルの帳簿外資産として扱われています。

財団保有分2017年12月31日2018年12月31日2019年12月31日2020年12月31日 2021年12月31日
AGIX337,179,019
(33.7%)
299,942,934
(30.0%)
212,434,962
(21.2%)
48,100,872
(4.8%)
30,571,755
(3.0%)
AGIX-ADA43,345,873
(50.0%)
合計 337,179,019
(33.7%)
299,942,934
(30.0%)
212,434,962
(21.2%)
48,100,872
(4.8%)
73,917,627
(6.8%)
()内は各アセットの総発行数に対する財団の保有割合
シンギュラリティネット財団が長期投資しているエコシステムプロジェクトへの実績

長期投資の累計は、2020年の1,197,827ドルから50.5%上昇して1,802,740ドルになりました。ただし、2021年度の投資額は、2020年の753,818ドルから19.75%減少して604,913ドルになっています。これまでに投資額が最も大きかったのは、Singularity Studio(977,058ドル)、次いでRejuve(349,139ドル)、SingularityDAO(138,043ドル)、そしてNuNet(138,043ドル)の順です。

これらの財団による長期投資は、SingularityDAOとNuNetのスピンオフ行使が完了したことで成果が出ました。2021年に財団が保有するSDAOトークンの価値は、約150万ドルの現金化に加え907,991ドルに達し、NTXは495,000ドルを記録しています。合計で1,402,991ドルになります。この2社への投資は、273,351ドルに対して300万ドル近い貢献をしています。

プロジェクト名2019年度2020年度 2021年度
NuNet10,97625,23099,102
Rejuve14,440143,301191,398
Singularity Studio418,594558,464
Mindplex
(Xccelerando)
26,82390,532
SingularityDAO138,043
Jam Galaxy28,089
TrueAGI57,750
合計444,009753,818604,913
単位:米ドル

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