SingularityDAOとSDAOトークンの概要とDynaSetsの使い方
【目次】

SingularityDAO(シンギュラリティダオ)の概要
SingularityDAOは、2020年11月10日に発表されたシンギュラリティネット財団からスピンオフした最初のSingularityNETのレイヤ2(SL2)プロジェクトです。AIロボアドバイザーが運用する動的にバスケット化されたDynaSets(ダイナミック・トークン・セット)に投資出来る、ノンカストディアルのDeFiソリューションになります。SingularityDAOのCEOであるMarcello Mari(マルチェロ・マリ)氏は、SingularityNETの創設チームの一員でコミュニケーション・ディレクターを兼任しています。最高技術責任者(CTO)には、Microsoftで機械学習とデータサイエンスのシニアディレクターを務め、Patterns & Predictionsのリサーチサイエンティスト兼パートナーでもあるChris Poulin(クリス・ポーリン)氏が、2021年8月よりDynaSetsの開発責任者として参画しています。当初、5人で始まったこのプロジェクトは、2021年9月には35人に拡大しています。2021年8月2日にEthereumでβ版が開始され、2022年10月11日からV1がスタート。その後はBNB Chain、Polygon、Avalanche、Cardanoなどの複数のチェーンにマルチ展開されます。
SingularityDAOは、単体では流動性の低いトークンをセットにする事で、ポテンシャルの高い新興のプロジェクトへの資金の流れを提供し、流動性とボラティリティの問題を解決します。SingularityNETとSL2エコシステムに対応するトークンだけでなく、立ち上げ初期から中期にかけてのニッチなブロックチェーンプロジェクトの資金調達と成長を促進する為に設計されています。
SingularityDAOのDynaSetsは、プロのヘッジファンドトレーダー2名とAIチームによって管理されます。伝統的な金融におけるETFに似ており、複数のレベルでAIを活用するように設計されています。DynaSetsでは、何十億ドルもの資産を扱う事が可能で、一度に数百万ドル相当の取引が実行出来ます。AIは動的なトークンセットであるDynaSetsを管理し、DEXでDynaSetsに流動性を提供する為の予測的なマーケットメイクを実行し、イールドファーミングや先物ベースのヘッジ戦略をモデル化します。
SingularityNETのマーケットプレイスとは、2023年Q1頃に統合される計画です。SingularityDAOの裏側で運用される予測モデリング、トレーディング、マーケットメイキングなどのアルゴリズムは、すべてSingularityNETのAIツールが利用される為、DynaSetによる資金流入だけでなく、トランザクション増加によるAGIXの価格上昇も期待されています。
以下が主なプラットフォームの特徴です。
- AIが作るアルトコインバスケット:AIロボアドバイザーによって動的にキュレーションされたアルトコインのバスケットであるDynaSetsが購入出来ます。
- ユーザーにとってのシンプルさ:専門的な知識がなくても、システム内の全てのDynaSetsを品質別に集約したインデックスファンドであるMetaSetを購入する事で、簡単にエコシステムに参加する事が出来ます。
- アルトコインバスケットでのイールドファーミング:DynaSetトークンを流動性プールにステークすることで、ユーザーは独自のバリューゲインダイナミクスを使用してSingYieldトークンでファーミングする事が出来ます。
- AIマーケット戦略:SingularityNET上で動作するAIアルゴリズムは、DynaSetsをリバランスし、流動性プールから借りたDynaSetsをトレードして価値を生み出します。
- 分散型ガバナンス:SingularityDAOは、参加者によって管理される真の分散型自律組織です。
- リキッドガバナンストークン:ガバナンストークンであるSingDAO(SDAO)は、SingYieldトークンをホールドする事で得られる為、エコシステムに熱心な人がガバナンス投票を行う事が出来ます。
DAO(自律分散型組織)とは?
SingularityDAOは、何よりもまずDAO(Decentralized Autonomous Organization)であり、その為に機会や意思決定へのアクセスを民主化し、最大化することに専念しています。プロジェクトは4年間で5つのフェーズを経て、ガバナンスシステムを構築して行きます。
DAOとは、プログラムによって自らを動かすネットワークを指します。基本的にはネットワークがトラストレスに構造化され、経済的インセンティブによってソフトウェアが運営されます。ステイクホルダーが個別の利益の為に動いても、ネットワークが機能する特徴があります。 SingularityDAOでは液体民主主義(Liquid democracy)を採用し、ユーザーはガバンストークンを使用して、直接投票もしくは代表者に委任する事が出来ます。個人的に、将来はASI(人工超知能)に委任出来る仕組みを期待しています。
提案に関するコミュニティーでの議論は、主にSingularityDAOのフォーラムにて行われます。将来ガバンス投票に利用されるシステムは独自に開発される予定ですが、当面はDAO投票プラットフォームであるSnapshotが利用されます。ガバンスに関するホワイトペーパはコチラで確認出来ます。
セキュリティと監査
SingularityDAOは、2021年5月6日に第三者のセキュリティベンダーであるCertiKによって監査を受け最初のレポートを公開しています。CertiKのセキュリティ状況の監査履歴はコチラのページで確認出来ます。また、2021年10月7日にはHackenと長期監査契約を結んだ事を発表しています。2021年12月23日には、Amazon(AWS)、Google Cloud、Microsoft、Apple、IBM、Nvidiaなどとパートナーシップを組む、エンタープライズレベルのソフトウェア開発のコンサルティング企業SoftServeとも提携しています。SingularityDAOでは、HITL(Human-in-the-Loop)モデルを導入し、当面の間はすべてのAI機能を人間が監督します。
評判の高い監査済みのプロジェクトであっても、スマートコントラクトに資金を預けることは常にバグや虚弱性のリスクを伴います。CeFiとDeFiは異なります。資金はCeFiと併用して運用し、失っても良いと思う金額以上は、絶対に預けないようにしましょう。
ホワイトペーパー
以下、SingularityDAOのホワイトペーパーになります。
Tokenomics(トークノミクス)

SingularityDAOのデザインは、EthereumのTokenSetsやCompoundといった先行するDeFiプロジェクトと共通する特徴を持っていますが、いくつかユニークな側面も持っています。SingularityDAOのトケノミクスシステムは、2021年Q4にリリースされるDynaSetsとそこから派生するSingYieldトークンによって、刺激的なテクノロジープロジェクトに対応する流動性の低いアルトコインを購入する機会を提供します。このエコシステムは、トークンのボラティリティを大幅に減少させる可能性があり、プロジェクトの生存率を高める事が可能になります。
SingularityDAOには、以下の3種類のレイヤーを表す3つのトークンがあります。
- DynaSets(最下層):DynaSetは、動的に管理されたユーティリティトークンの集合体で、伝統的な金融におけるETF(上場投資信託)のようなものですが、流動性の高いアルトコインではなく流動性の低いアルトコインを志向しています。DynaSetの管理は、一般的にSingularityNETのプラットフォーム上で動作するAIエージェントのロボアドバイザーなどによって行われます。
- SingYield(ミドルレイヤー):SingYieldと呼ばれるLPトークンを利用して、ファーミングやヘッジを行う事が出来ます。このSingYieldトークンは、ETFのようなDynaSetトークンをベースにしており、スマートコントラクトがDynaSetトークンを自動的に取引(単純なアービトラージやAIベースの取引を含む)したい借り手に貸し出す事で得られる収益を共有出来るようにします。
- SingDAO(最上層):SingYieldトークンをプラットフォーム内に保持することで得られる、最上位のガバナンストークンです。このトークンを保有者はDAOの公式メンバーである事を意味し、メンバーはプロトコルの収益の一部を受け取る事が出来ます。
SingDAO(SDAO) トークンのコントラクトアドレス
SDAOトークンの配布構成

SingularityDAOのガバンストークンであるSDAOは、ERC20系で総発行数は100,000,000 SDAOです。AGIコニュニティーには、総発行数の5%にあたる5,000,000 SDAOがエアドロップされます。プラットフォーム上でのインセンティブであるファーミングには、35%の35,000,000 SDAOが割り当てられ、3年間に渡って行われます。
2021年5月6日から行われたTGE(Token Generating Event)では、総発行数の25%にあたる25,000,000 SDAOが割り当てられ、シードランドの0.15ドルから始まり、最終的には0.4ドルで販売され、合計5,116,667ドルが調達される予定です。初期投資家には、AlphaBit、Genesis Block Ventures、SMO Capital、QCP Capital、AU21、Marshland Capital、Jun Capital、Magnus Capital、Moonwhale Ventures、PhoenixVCなどのベンチャーキャピタルおよび投資会社が参加しています。
その他のトークンの内訳は、コミュニティボランティアが0.25%、エコシステムファンドに14.7%が割り当てられ、創業者およびチームには15.05%、SingularityNET財団には5%が分配されます。SDAOのディストリビューションには、基本的にスマートコントラクトによる権利確定構造が導入されています。集めた資金の使い道は、初期の流動性供給予算(50%)がほとんどで、残りは人件費(HR)に25%、一般管理費(G&A)に10%、取引所のリスティングに15%が割り当てられます。SDAOは、Bitrue、Uniswap、PancakeSwap、Gate.io、Orion Protocol、KuCoin、MEXC Global、SingularityDAOで購入する事が可能です。
以下、トークンのアロケーションとリリーススケジュールになります。
アロケーション | 割合 | 総供給 | 調達額(米ドル) | 権利確定の時期 |
AGI保有者エアドロップ | 5.00% | 5,000,000 | - | 4ヶ月 |
ファーミング | 35.00% | 35,000,000 | - | 36ヶ月 |
コミュニティボランティア | 0.25% | 250,000 | - | 12ヶ月 |
エコシステムファンド | 14.70% | 14,700,000 | - | – |
シードラウンド | 3.33% | 3,330,000 | 500,000 (@0.15) | 12ヶ月 |
プライベートセール | 11.28% | 11,275,000 | 2,255,000 (@0.2) | 12ヶ月 |
コミュニティセール | 8.06% | 8,058,000 | 1,611,667 (@0.2) | 12ヶ月 |
パブリックセール (LaunchPad) | 1.33% | 1,330,000 | 400,000 (@0.3) | – |
パブリックセール (DEX) | 1.00% | 1,000,000 | 400,000 (@0.4) | – |
SingularityNET財団 | 5.00% | 5,000,000 | - | ※調査中 |
チーム&アドバイザー | 15.05% | 15,050,000 | - | ※調査中 |

SDAOトークンのエアドロップ
SingularityDAOでは、2021年5月から毎月ガバンストークンであるSAOがAGIトークンの保有者にエアドロップされます。エアドロップは4ヶ月に渡って行われ、総発行数の5%にあたる5,000,000 SDAOが希望者に配布されます。参加方法は若干複雑です。まず、エアドロップを受け取るには1,000AGIを保有する条件が必須で、以下の3タイプに分かれます。
- ステイカー:ステーキングポータル(staking.singularitynet.io)でステーキングしていた人
- ホルダー: 秘密鍵を保有するプライベートウォレットでAGIを保有していた人
- リキッドプロバイダー:流動性プロバイダーとしてDEX(Uniswap)にAGIX-WETHを提供する人(2021年6月分以降)
初回を逃した方はリキッドプロバイダーとしてのみ参加が可能
エアドロップで配布される5,000,000 SDAOは、大きく分けてステイカーに2,000,000 SDAO、ホルダーとリキッドプロバイダーに3,000,000 SDAOずつ配布されます。
ステイカーとホルダーの該当者は、2021年4月17日23:59 UTCに行われたスナップショットで1,000AGI以上を保有して参加したアカウントが対象です。初回のスナップショットに参加出来なかった方は、2021年6月18日にUniswapで行われるリキッドプロバイダー向けのスナップショットに参加する事が可能です。その際ステイカーとホルダーは、最初のスナップショットよりも残高が減少した場合、その後の報酬は低い残高に基づいて変更され、以後増やす事は出来ません。また保有しているAGIが1,000以下になった場合、その時点で参加資格を失います。
ステイカーに関しては、継続してステーキングを行う事で参加資格が翌月に引き継がれます。分配される2,000,000 SDAOは、半分の1,000,000 SDAOがアカウント毎に均等に分配され、残りの半分は保有するAGIに比例して分配されます。ステイカーになる事を目的に、新たにスーキングを行ってもその報酬タイプに入る事は出来ません。
ホルダーとリキッドプロバイダーの割り当ての3,000,000 SDAOは、次の関数を利用した分配曲線に従って配布されます。
報酬= total_reward * log10(1 + user_balance)/ SUM(log10(1 + user_balance)※アルゴリズムlog10の詳細はコチラから
全てのエアドロップ参加希望者は、各セッションの3日前からSingularityDAOのサイト上のAirdrop Portal(SAP)で登録手続きを行う必要があります。登録手続きには一切ガス代はかかりませんが、実際のトークンの請求にはかかります。請求は最終受取期限である2021年8月23日までに一括で行うか、必要に応じて各セッション後に行う事が出来ます。最終8月分に関しては、8月2日にβ版のローンチによってリクイディティプールが立ち上がる為、再度スナップショットが8月1日に行われます。以下、4ヶ月のスケジュールになります。
5月分 | 6月分 | 7月分 | 8月分 | |
登録期間 (72時間) | 5月13日 12AM UTC ~ 5月18日 23:59 UTC | 6月20日 12AM UTC ~ 6月23日 11:59PM UTC | 7月13日 12AM UTC ~ 7月16日 11:59PM UTC | 8月13日 12AM UTC ~ 8月16日 11:59PM UTC |
請求開始日 | 5月20日 12PM UTC | 6月25日 12PM UTC | 7月17日 12PM UTC | 8月18日 12PM UTC |
配布数 SingDAO | 875,000 (17.5%) | 1,125,000 (22.5%) | 1,375,000 (27.5%) | 1,625,000 (32.5%) |
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DeFiにおけるAIの有効活用
SingularityDAOのDeFiサービスは、以下のようにあらゆるレベルでAIを有効活用するように設計されています。エコシステムで使用される価格参照データにはChainlinkの価格フィード、データセットにはOcean ProtocolのOcean Marketが利用され、AIエージェントは貴重なデータを売買する事が出来ます。
- AIロボアドバイザーは、初期のDynaSetの管理に使用されます。
- AIボットは、イールドファーミングから借りるDynaSetに基づくリターン生成に使用されます。
- AIストラテジーは、DynaSetやイールドトークンのヘッジに使用され、エコシステム全体のボラティリティを低減させます。
SingularityDAO専門用語集
- DynaSets:DynaSetsには、Liquidity Poolsに入れて手数料を稼ぎ、SDAOトークンをファーミングするオプションがあります。DAMにリバランスする時間を与える為、1度に引き出し可能な資産は33%までというルールがあります。
- Dynamic Asset Manager(DAM):DAMは、1inch Networkと相互作用するマルチレイヤーのスマートコントラクトを活用して取引を実行し、DynaSetの保有資産の比率を管理する権限を持ちます。DAMには、AI、人間、AI+人間の3パターンがあります。
- 分散型ショートポジション:DAMは、流動性プールから暗号資産を借りてショートポジションを構築し、ポジションをクローズして借りた資産を流動性プールに返済します。
- オプティマイザー:オプティマイザーは、流動性プールからDynaSetトークンを借りて利息を付けて返済し、流動性プールを拡大します。より大きな利子を返済するオプティマイザーには、より高いLPトークンの報酬とレピュテーションスコアが与えられ、競合との入札が優先されます。
- リバランス:DynaSetsは、小さな裁定取引の機会を作成する事で、時間の経過と伴にバランスとウェイトを徐々に調整します。但し、流動性の低いオンチェーンを通じてリバランスする方法は、DynaSetにかなりの損失をもたらす可能性があります。
- 重量調整:DynaSetsには、内部スワップを通じてリバランスする為に各アセットのターゲットウェイト・パラメーターが設定されています。トークンのバランスを増やしたり減らしたりする事でターゲットウェイトに近づけます。各DynaSetには、最小更新遅延(デフォルト1時間)と重み変更係数(デフォルト1%)があります。
- Forge(フォージ):現在のEthereumはガス代が高く小規模な取引は不可能です。SingularityDAOには、異なるDynaSetの複数のトランザクションを統合する「Forge」機能が含まれており、小さなトランザクションを大きなトランザクションにまとめて実行します。
- プライスプレディクター(価格予測):Binanceなどの取引所から取得した市場データを利用し、あらゆる種類の市場、ファンダメンタル、センチメントのデータから、AI/MLに基づいて将来の資産価格を予測します。
- ストラテジーエバリュエーター:様々な戦略を過去のデータでバックテストし、現在の市場環境に最適なストラテジーをポートフォリオバランサーに推奨します。これらの戦略は、DynaSetが在庫をリバランスする為の最適な方法を指定します。
- ポートフォリオプランナー:オンチェーン市場のデータを使用し、価格予測から価格トレンドとボラティリティ予測を行います。トークンに長期的な重みを提供し、制限されたボリュームとリスクレベル内で、DynaSetの長期投資戦略の計画と構築を支援します。
- ウェイトエージェント:トークンの短期的な重みを提案し、ポートフォリオバランサーが短期的なリスクを考慮してポートフォリオの在庫を調整するのに役立ちます。
- センチメントウォッチャー:ニュースフィード、オンラインメディア、ソーシャルメディアでの特定のトークンに関する話題や、暗号関連の話題全体を監視し、価格予測ツールとシグナルジェネレーターにフィードします。
- シグナルジェネレーター:価格変動やセンチメントの話題を予測し、市場のモメンタムに応じて、指値注文の作成、キャンセルなど、トークンの売買のタイミングを教えてくれます。
- ハードルレート:DynaSetに利用される指標で、原資産のパフォーマンスに基づいて設定されます。例えば、BTCが所定の期間に10%上昇し、DynaSetが15%上昇していれば、ハードルレート以上の収益は5%になります。複数のアセットを扱うバスケット型のDynaSetは、原資産の時価総額加重平均に基づきます。
Forgeと1inchを活用したDynaSetsの取引
SingularityDAOのDAMは、1inch Aggregation Protocolを使用して、最も効率的でコスト効果の高いルートを見つけて取引を実行します。1inchでは、一つの取引を複数の小さな取引に分割し、様々な流動性プールで同時にスワップを実行する事が出来る為、特定のスリッページ閾値を超えたり、マーケットで不必要な価格変動を引き起こす事なく取引が出来ます。これは、手動で複数の取引を実行する場合と比較して、手数料の効率と取引のスピードを大幅に向上させます。
また、SingularityDAOのForgeでも1inchと同様の機能が利用出来る為、DynaSetへの流動性付与の面でも大幅に手数料を引き下げる事が可能になります。Forgeは、エンドユーザーとDynaSetの両方の手数料に影響を与えます。

SingularityDAOの使い方
SingularityDAOでは、マーケットメイカーとして機能する分散型ヘッジファンドであるDynaSetsの他にも、様々なDeFiサービスの利用が可能です。プラットフォームはマルチチェーン展開されており、 随時各チェーンに対応した商品が利用可能になります。 SingularityDAOのDAppには、コチラからアクセスする事が可能です。以下、各カテゴリーの機能について解説します。
1)DynaSets(ダイナセット)
現在、dynBTC、dynETHとレバレッジ取引(ロング&ショート)が可能なdynDYDX(β版)の3種類があります。BSC版がスタートすると、BNBチェーン上のL1のトークンセットdynL1BNB (β版:BUSD、ADA、WBNB、XRP、MATIC、ETH、WSOL、AVAX、DOT、BTCB)が加わります。各DynaSetsは最低500ドルから利用可能で、必ず固定で掛かる管理手数料とハードルレートを上回る利益に対して成功報酬費用が掛かります。これらの費用は取引終了時に課金され、管理ウォレットに送金されます。運用期間は3ヶ月毎で、期間内に償還する場合は別途手数料が発生します。(β版のdynDYDXは途中償還不可)
- 管理手数料:ガス代などの運用コストに充てる為、運用パフォーマンスに関係なく、各DynaSetで指定された固定費用が掛かります。
- 成功報酬:ハードルレートを超える利益に対して、各DynaSetで指定された成功報酬費用が掛かります。成功報酬手数料の75%はDAMに、25%がDAOメンバーに分配されます。
- 途中償還手数料:90~61日(2.5%)、60~30日(4%)、30~0日(5%)

- dynBTC、dynETH:管理手数料は年率1%、成功報酬10%
- dynDYDX:管理手数料は年率2%、成功報酬20%、償還はUSDCのみ
オープンβ版の運用実績
以下、2022年4月12日~2022年6月27日のオープンβ版の運用実績になります。BTCはHODLした場合と比較すると159.3%(約765%APR)、ETHは212% (約1018%APR)という、驚異的なパフォーマンスを収めています。 β版ではロング戦略だけでしたが、V1ではデリバティブサービスを提供するdynDYDX(β版)にて、ショート戦略とレバレッジ機能が開始されます。


2)Vaults(ヴォールト)
SingularityDAOでは、SDAOやLaunchpadで資金調達したSL2プロジェクトのシングルアセットによるステーキングや、デュアルトークン(LPトークン)でファーミングを行う事が可能です。
- Epoch Vaults:ロック期間(3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)があるステーキングサービスです。各エポックの最初の5日間は入出金期間に該当し、報酬は発生しません。トークンは引き出しを行わないと、自動的にロールオーバーされます。
- Unbonded Vaults:いつでも自由にトークンの追加や引き出しが可能なステーキングサービスです。
- Yield Vaults:AMMDEXに、SDAO、NTX、AGIX等を軸にしたペアに流動性を提供する事によって、LPトークンでファーミングプールに参加出来ます。SingularityDAOでLPトークンを作成する事も可能ですが、基本的にEthereumではUniswap、BSCではPancakeSwapのLPトークンを利用します。ファーミングによる報酬は、それぞれSDAO、NTXで配布されます。
3)DEX(デックス)
- Swap:AMMDEXのスワップ機能を使って、SingularityNETのエコシステムトークンなどを手に入れる事が可能です。
- Liquidity:流動性を追加する為のLPトークンが作成可能です。
- Bridge:SingularityDAOでは、Multichainのブリッジソリューションを利用します。トークンは、対応したチェーン間で移動する事が可能ですが、 利用の際にはクロスチェーン手数料(0.1%)とトランザクション手数料が必要です。将来的にはブリッジに流動性を提供する事で、SingularityDAOでステーキング可能なLPトークン(AnySDAO)を受け取る事が出来ます。
4)Launchpad(ローンチパッド)
SingularityDAOのLaunchpadでは、SingularityNETのSL2プロジェクトや厳選された高品質のプロジェクトのトークンセールが行われます。なお、Launchpadで販売されたトークンは、今後のDynaSetに含まれる可能性が高くなります。
Launchpadでは、DAOメンバー向けに90%、残りの10%が一般販売に充てられます。イベント当日は、KYCを通過した人なら誰でも参加する事が可能ですが、DAOメンバー向けは公式トークンセールの24時間前にオープンします。
DAOメンバー向けの販売は、ステイクしたSDAOに基づいて、以下の4つのティアを介して均等に割り当てられます。メンバーは、無駄なガス代や競争無しで、最大割り当て数まで購入可能です。なお、ステーキングはUnbonded Vaultsも対象ですが、最低ステーキング期間が必要です。売れ残ったトークンは、一般販売向けの10%に追加され、購入制限無しで先着順で販売されます。
- 60%:1,000SDAOをステイクしたDAOメンバーが参加可能なプール
- 30%:10,000SDAOをステイクしたDAOメンバーが参加可能なプール
- 5%:50,000SDAOをステイクしたDAOメンバーが参加可能なプール
- 5%:100,000SDAOをステイクしたDAOメンバーが参加可能なプール
上記の比率は、各階層に属すると思われる人数をベースに、相対的な購買力を考慮したものです。KYCの完了後、各階層からの参加希望者の数に応じて最適化され変更されます。
<随時情報は追加します>
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暗号通貨革命では、カルダノステークプール(ティッカー:OBS)を運営すると共に、皆様に役立つ有益な情報を無償で提供して行きます。ADAステーキングを通しての長期的なメディア&プール支援のご協力の程、何卒よろしくお願い致します。
dynasets(dynETH)の始め方を教えて下さい。
ウォレットにERC20のWETHかUSDCを用意して接続すれば完了ですか?
それとも両方必要でしょうか?
WETHとUSDCのいずれかで大丈夫です。但し、現在はβ版からv1への移行タイミングでサービスは一時停止中になります。
宜しくお願いします。