シンギュラリティネットとAGIトークンのメカニズム

シンギュラリティネット

SingularityNET(シンギュラリティネット)の概要

SingularityNET(シンギュラリティネット)は、AIが大規模に協力して協調することを可能にする、世界初で唯一のグローバルAIマーケットプレイスです。2019年2月のβ版のリリースによって一般に公開され、現在はβV3になります。SingularityNETはオープンソースプロトコルであり、あなたは画像処理から自然言語処理まで、自由に機械学習モジュールをアップロードして、他のAIエージェントが作成したモジュールと組み合わせて利用する事が出来ます。各モジュールではAPIが提供されており、トランザクションはブロックチェーンで処理されます。

SingularityNETを利用することで、企業、組織、個人、AIエージェントは市場に参加し、商品やサービスを売買することが出来ます。AIは、これまで自社でゼロから開発する必要があった希少価値の高いデータセットや分析機能を、SingularityNETで購入することが出来ます。また自社の資産も収益化することができ、独自の情報やアルゴリズムから莫大な価値を生み出すことが可能になります。

もはや、特定の企業、インフラ、業界内でしか機能しないサイロ化したAIは必要はありません。最も重要な事は、世界初の自己進化型の相互運用性規格により、AIサービスをモジュール化して設計し、他の多くのAIサービスと組み合わせて自動的に進化させることが出来るため、他では利用出来ないようなユニークで専門的なサービスを作成することが出来ます。これにより、今日のAIの成長を阻む大きな要因の一つでもある、相互運用性の欠如が解消されます。

これは大きな市場機会であり、SingularityNETの開発チームは複数の分野のトップマインドを集めています。理論物理学、確率論的論理学、数学の博士号を持つ世界的に尊敬される専門家が在籍し、特に人工知能と機械学習の分野に関しては、何十年にも及ぶ複合的な経験を持ち併せていることは言うまでもありません。

SingularityNET – The Single Most Valuable Technology of All Time

SingularityNETに参加する6つのベネフィット

現在SingularityNETではβ版が提供されている

SingularityNETは、指数関数的なネットワーク効果により、ユーザーに貴重なリソースを提供すると同時に、史上最大の成長市場の一つで確固たる地位を強化します。プラットフォームの参加者は、6つの主要な競争上の優位性を得ることが出来ます。

  1. アクセス – AIエージェントは、これまで排他的だったデータセットを活用し、ビッグデータを構造化して収益化出来る。
  2. 正確性 – ユーザーは、はるかに複雑な情報セットに取り組むことが出来る。
  3. 効率 – 協調的なAIは、組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能。
  4. 創発 – AIツールを組み合わせることで、他のプラットフォームでは実現できない創発的なインテリジェンスと能力が生まれる。
  5. スピード – 情報を競合他社よりも実質的に速く処理することが出来る。
  6. 創造性 – AIは新しいデータセットや機能を活用して、新しい機能を動的に生み出すことが可能。

SingularityNET X-Labと財団のスピンオフプロジェクト

シンギュラリティネット財団は、CiscoDominosEnexisPingAnPICCなどのFortune500の企業と高レベルのパートナーシップ契約を結んでいます。

SingularityNETではこのような外部パートナーだけでなく、AIとブロックチェーンの領域で有望な起業家チームを育成し、支援することを目的とした「SingularityNET X-Lab」を立ち上げています。X-Labでは、SingularityNETのエコシステムの一部となることを目指すスタートアップに、以下の支援を提供します。

  1. プラットフォーム上のAIサービスのコストを相殺し、SingularityNETのエコシステムをサポートするための金銭的なインセンティブを提供するためのAGIトークンによる助成金
  2. AIサービスの開発とSingularityNETプラットフォームへの展開における技術的な専門知識とサポート
  3. マーケティングとコミュニティ構築のメンターシップ
  4. 申請者がベンチャー企業の資金調達を決定した場合のガイダンスとサポート
  5. 申請者が珠江デルタ地域にお住まいの場合、またはチームの一部が香港に滞在することを希望する場合は、香港本社のオフィススペースの提供と現地でのサポート
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またSingularityNETのエコシステムでは、すでにネットワークの拡張プロジェクトとして機能する、いくつかのプロジェクトが財団からスピンアウトしています。これらは全てSingularityNETのレイヤ2(SL2)プロジェクトになります。

  1. 金融、臨床医学、スマートシティを含む複数の垂直市場における大企業のニーズに対応するエンタープライズ向けの次世代AIソリューションSingularity Studio
  2. 分散型計算リソースプロジェクトNuNet
  3. AIと再生医療によって人間の健康寿命を根本的に伸ばすプロジェクトRejuve
  4. メディアプロジェクトのXccelerando
  5. DAOとして構成された独自のレイヤ2非カストディアルDeFiソリューションSingularityDAO
  6. 人間のコミュニティを引っ張ってアイデアを生み出すSophiaDAO
  7. 新世代のOpenCog AGIアーキテクチャであるHyperonプロジェクト
  8. プラットフォーム間の価値交換として導入される分散型マルチパティ―インテリジェンスバーターシステムOffer Nets
  9. AGIの研究開発に焦点を当てたTrueAGI

最終的にこれらのプロジェクトの繁栄は、SingularityNETのエコシステムにフィードバックされ、ネットワーク全体のパフォーマンスの向上に貢献します。

SingularityNETのAGIトークンの実用性とメカニズム

SingularityNETは、AIや機械学習ツールをネットワーク化し、協調した人工知能を形成するためのキープロトコルとなることを目指しています。現在のAIツールは1社の閉鎖的な環境によって開発されており、1つのタスクを実行するために異なる2つのツールを接続する方法がありません。

これを実現する為に、SingularityNETではそのコア機能を有効にするように設計されたユーティリティトークンAGIを使用します。AGIトークンはSingularityNETのバックエンドで必ず利用され、トランザクション、決済、インセンティブ、ガバナンスの4つの主要なメカニズムが機能する構造になっています。

1)トランザクション

ブロックチェーン技術は、トランザクションや簿記の利点から、SingularityNET上でのネットワーク取引を管理するための理想的なツールを提供します。しかし、ブロックチェーンベースのフレームワークは、AIエージェントがお互いや外部の顧客とコミュニケーションが出来るように設計されている必要があります。AGIトークンは、次の方法でネットワークトランザクションを可能にします。

  1. 相互運用性:複数のブロックチェーンやネットワークインフラとのインターフェイスが可能になります。AGIトークンは、AIエージェントや顧客がどのような基盤技術を使用しているかに関わらず、合理化された方法で取引を行うことを可能にします。
  2. モジュール性:柔軟なネットワーク機能により、カスタムトポロジ、AIエージェントのコラボレーションの取り決め、および障害回復方法を作成出来ます。
  3. スケーラビリティ:プライベート契約とパブリック契約の両方を安全にホストするので、よりスケーラブルで弾力性のあるアプリケーションをトランザクションコストをほぼゼロで構築することが出来ます。
  4. データの主権とプライバシー:ユーザーのデータ制御と共有は、ネットワーク上でプライバシーを有効にした制御が行われ、アクセスはスマートコントラクトとブロックチェーンによって検証されます。
2)決済

もしAGIトークンがなければ、AIエージェントがネットワーク内でサービスを利用する際、他のプロトコルのネイティブ・トークンにアクセスする必要があります。これでは複数の商品、サービス、およびエージェントを統合する場合、非常に複雑になってしまいます。

AGIトークンがあれば、ネットワークユーザーは何千もの契約、テクノロジー、プロトコルの中からマーケットプレイスで取引を行うことが出来ます。すべての取引は、公に監査可能な単一の取引台帳上で行われ、買い手はあらゆる外部リソースや機能を簡単に統合することが出来、売り手はあらゆる資産をシームレスにマネタイズすることが出来ます。

3)インセンティブ

AGIトークンは、ネットワークへのユーティリティに対する報酬として配布されます。例えば、SingularityNETのプラットフォームにおける中心的な構成要素は、AIキュレーションマーケットです。これにより、次の2つのことが可能になります。

  1. 有用なAIエージェントを見つけるための発見プロセスを最適化する。
  2. 保有者にステーキングを行うように促し、それによってネットワークの成長に貢献する。

本質的に、AIキュレーションマーケットはディスカバリー・ランキングメカニズムであり、以下のように機能します。

  1. SingularityNETの初期バージョンには、特定のカテゴリーのAIエージェントがハードコーディングされています。
  2. トークンホルダーは、特定のエージェントと特定のクエリにトークンをステークして、そのAIエージェントのステーク・ランクを上げることが出来ます。ステイク・ランクとレピュテーション・ランクはどちらも公開されており、ディスカバリー・ランキングをコントロールします。
  3. AIエージェントのサービスがどれだけレピュテーションを向上させるかに比例して、そのノードのステークホルダーはキュレーション・リワードプールからAGIリワードを受け取ります。AIエージェントがタスクを正しく処理できなかったり、レピュテーションが低下したりすると、ステークは没収されてキュレーション・リワードプールに預けられます。

AGIトークンの保有者は、高品質なAIエージェントの発見を促進する事で、プラットフォームから報酬を得ることが出来ます。このAIキュレーションマーケットは、最も早いステーキングの提供者が最大の報酬を得る仕組みになっています。AGIの価格によっては、AIサービスを必要とするバイヤーに宣伝するためのコテージ産業を生み出す可能性があります。

なおゲートウェイ(法定通貨-暗号通貨)の流動性プールでは、2020年4月からステーキングサービスが導入されています。

4)ガバナンス

市場取引は、ネットワーク内のAIエージェント間、またはAIエージェントと外部事業体の間で行われることがあります。SingularityNETは、活気ある市場を育成するために取引手数料を徴収しません。その代わりに、ネットワークの運営資金は、ネットワーク参加者の意思決定により作成された新たなトークンの一部を、エコシステムを強化する事業体に向けることで民主的に調達されます。つまりコミュニティにシステムを任せることで、システムがコミュニティの利益のために行動するようになると考えています。

SingularityNETはシンギュラリティ財団の支援も受けており、同財団はAIの利益は、少数の強力な機関に支配されるべきではなく、すべての人に共有されるべきであるという信念のもとに運営されています。SingularityNETの主な目標は、技術が人間の基準に沿った博愛的なものであることを保証することであり、ネットワークは有益なプレイヤーにインセンティブを与えるように設計されています。

AGI Token Generation Event

SingularityNETは、独自のユーティリティトークンであるAGIを発行しています。総発行数は1,000,000,000AGIで、ERC-20系トークンになります。トークンの配分は、報酬プール用に20%、コアチームメンバーに18%、シンギュラリティネット財団に8%が与えられ、キャンペーンサポーターの報奨金として4%が配布されました。プレセールとトークンセールでは残りの50%が販売されています。報酬プールは、発端から1年後に年2%の割合でリリースされ、報酬カテゴリー及びカテゴリー別の割り当ては以下になります。

  • 40% development リザーブ
  • 40% beneficial リザーブ
  • 20% curation リザーブ

当時、SingularityNETプラットフォームは独自のコンセンサスプロトコル(ブロックチェーン)を作成することを計画しており、報酬プールに授与される2年目から11年目までに生成される新しいブロックによって年間10%のインフレが追加される見通しでした。

2017年12月21日にスタートしたトークンセールは、1AGIあたり0.1ドルで行われ、翌日僅か66秒で完売しSingularityNETは予定を超える32,847,814ドル分のETHを調達しました。当時あまりにも人気(4,000人以上が参加)であった為、最初の24時間は参加者全員に5ETH分の個別キャップが割り当てられ、その後は上限に達するまで好きなだけ寄付が出来る特別な方式が取り入れられました。このイベントの参加者は全員KYCを完了する必要があり、承認された人のみホワイトリストとして参加が出来ました。以下、ホワイトペーパーになります。

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SingularityNETのマルチチェーン戦略

SingularityNETは、2020年10月1日にSingularityNETの一部をCardanoに移植する事を検討している事を発表しました。これにより、カルダノのマルチ通貨台帳機能によって、現在のEthereumベースのERC-20トークンの一部をCardanoベースのトークンにスワップしたり、Cardanoの新しいスマートコントラクト言語Plutus(プルータス)を使用して、SingularityNETのプラットフォームの基礎となるSolidityベースのスマートコントラクトの類似品を作る事が出来ます。

当初からSingularityNETのプロトコル設計は、単一のブロックチェーンではなく、マルチチェーンにすることが議論されて来ました。2019年の後半には、一部をTODAベースに移植する事が真剣に検討されましたが、TODA/IPプロトコルのオープンソースの実装に追加の開発が必要だった為、今の所実現されていません。またCardanoだけでなく、NEMに移植する実験も現在行われています。過去にはAlgorandとの交流もありましたが、これはAlgorandのスケーラビリティを実証したものです。

カルダノ移植により念願のAPI-of-APIsの実装が可能に!

SingularityNETのカルダノの一部移植は、Ethereumのブロックチェーンの速度と単純なガス代などのコストの問題だけでなく、今後の重要なファクターをエコシステムに提供します。

現在のSingularityNETは、画像処理、自然言語処理、時系列解析、ゲノムデータ解析などの分野で、エンドユーザーに直接サービスを提供する、比較的単純なAIエージェントをホストするために使用されています。スマホアプリのSongSplitterのように、Android SDKを通じて音声ファイル内のボーカルと音楽を分離する、バックエンドで使用されているケースなどもあります。

但し、SingularityNETの大きなビジョンは、他のAIに仕事を委託して複数のAIエージェントがダイナミックに連携して問題を解決する、さらに一歩進んだ多様なAIエージェントをホストする事です。マーヴィン・ミンスキー氏によって書かれた心の社会(The Society of Mind )の分散型を作ることであり、この実現にはプラットフォーム内における「meta-API」や「API-of-APIs」の実装が不可欠です。

Cardano Goguen期のPlutusは、関数型プログラミング言語のHaskellのメリットを持つ、スマートコントラクトの作成を可能にします。SingularityNETの研究者達は、IdrisやLiquid Haskellのような依存型付けの最新の関数型言語を使って、EthereumへAPI-of-APIsへのアプローチをプロトタイピングしてきました。カルダノのPlutusは、現在のSolidityベースのスマートコントラクトと比較して、このAPI-of-APIsの実装に特に適しています。

具体的には、PlutusはMarlowe(マーロウ)のような金融コントラクト用のDSL(ドメイン固有言語)の作成を容易にするために設計された次世代の構築物であり、SingularityNETのAIコントラクト用のDSLをPlutusにコンパイルすれば、Cardanoスマートコントラクト内に直接埋め込むことが可能になります。このようにカルダノとのコラボレーションは、SingularityNETを次のステージへと引きあげる可能性があります。

AI-DSLの機能

SingularityNETチームが作成しているドメイン固有言語では、次のことが可能になります。

  1. 人間の介入なしに効果的に相互運用するためのAIエージェント(どのAIエージェントがどの文脈で相互運用すべきかの選択を含む)
  2. AIエージェントとの関わり方を知るための外部ソフトウェアシステム
  3. AIエージェントがどのデータセットを摂取・生成することを検討すべきかを知るシステム
  4. インフラ上でのAIエージェントの実行や誘導を担当し、最も効果的な実行方法を知るためのシステム

AI-DSLで規定する主な特性:入出力データの構造、処理コスト(金額、時間、計算リソース)、結果の品質、使用された証拠、各種基準による公平性、並行処理の可能性を含む内部処理構造

CEOのBen Goertzel (ベン・ゲーツェル)氏の経歴

ベン・ゲーツェル氏のLinkedIn

SingularityNETのCEO兼創設者であるベン・ゲーツェル博士は、AIソフトウェア企業Novamente LLCとバイオインフォマティクス会社Biomind LLCの会長、AIによるヘッジファンドAidyia Holdingのチーフサイエンティスト、OpenCog財団、AGI Society、ニック・ボストロム氏が創設した未来派非営利団体Humanity+の会長、バイオ製薬会社Genescient社の科学顧問、福建省中国アモイ大学Key Labの研究教授、AGIカンファレンスシリーズの総合議長、レイ・カーツワイル氏とピーター・ディアマンディス氏が創設したSingularity University及び機械知能研究所(旧:Singularity Institute)の顧問を務めています。

またAIロボット・ソフィアの生みの親であり、2019年初頭までHanson Roboticsのチーフサイエンティストを務めていました。なお、今では一般的になっているAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)という概念は、1997年にマーク・グブルド氏によって、完全に自動化された軍事生産と運用の意味合いについての議論の中で使用され、2002年頃からこのベン・ゲーツェル氏によって世界に広められました。

AGIの概念を実現する3つのプロジェクト

シンギュラリティに向けて、本当にAGIトークンの価値を理解するには、SingularityNETだけでなく彼がAGIの実現に向けて取り組んでいる3つのプロジェクト、SingularityNET、OpenCog、TrueAGIを総合的に理解する必要があります。

以下のTEDxBerkeleyでは、Narrow AI→AGI→ASIとスーパーインテリジェンスへの進化の過程における、彼の仮説や考え方、アプローチの仕方を理解する事が出来ます。また他にも彼の個人サイト多元宇宙論はそれぞれリンク先で読めます。

Decentralized AI | TEDxBerkeley

OpenCog(オープンコグ)プロジェクトとは

OpenCogのホームページはこちら

OpenCogはAtomspace(アトムスペース)と呼ばれる高度なナレッジグラフを中心とした単一のソフトウェアフレームワークに、確率論理、進化論的学習、パターンマイニング、アトラクタニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワークなど、複数のAIパラダイムを統合することでAGIの実現を目指すオープンソースプロジェクトです。2008年にベン・ゲーツェル氏とSingularityNETのCTOカシオ・ペンナチン氏などによって立ち上げられました。

OpenCog Primeは、システム全体の出現現象として人間と同等の人工知能(AGI)を生み出すように設計された一連の相互作用コンポーネントを定義するロボットおよび仮想具現化認知のためのアーキテクチャです。 OpenCog Primeの設計は主にベン・ゲーツェル氏によるものであり、OpenCogのフレームワークは広範なAGI研究のための一般的なフレームワークとして意図されています。

設立当初は、Machine Intelligence Research Institute(MIRI)によって支援され、Google Summer of Codeに参加して以降、オープンソースコミュニティから多くの貢献があったようです。現在は、香港政府、香港理工大学、ジェフリー・エプスタインVI財団、Hanson Roboticsなどのいくつかの資金源から資金提供と支援を受けています。プロジェクトはSingularityNETおよびHanson Roboticsと提携しています。なおOpenCogは、HuaweiやCiscoおよび創設パートナーであるHanson Roboticsを含む、50社以上で使用されています。

現在OpenCogをSingularityNETに統合するために、独自の内部Atomspace及びAI-process populationでOpenCogシステム全体をラップするSingularityNETエージェントが作成されています。

OpenCogとOpenAIのAGIへの2つの異なるアプローチ

AGIに取り組むプロジェクトは、世界中にいくつもあります。中でもOpenCogと同じ非営利団体で注目を集めていたのがOpenAIです。OpenAIは、2015年12月にイーロン・マスク氏とサム・アルトマン氏によって設立され、設立当初から創業者の2人に加え、ピーター・ティール氏などの個人投資家から10億ドルの資金を集めました。

イーロン・マスク氏は、2019年2月に会社の方向性に関する意見の違いを理由にプロジェクトから手を引きましたが、サム・アルトマン氏が2019年3月に法人化を行い現在のOpenAI LPのCEOに就いています。その後2019年7月には、マイクロソフトがこのOpenAI LPに10億ドルの資金を投じています。

OpenAIは、新しい手法によってAGIを開発するのではなく、既存のディープラーニングを大規模にスケールさせることでAGIを実現しようとしているようです。ベン・ゲーツェル氏は、2016年12月26日にQ&AサイトQuoraでOpenCogとOpenAIの違いについて、以下のように回答しています。

OpenCogはいくつかのものを持っています:

1.共通の重み付けされたラベル付きハイパーグラフナレッジストア(Atomspace)上で複数の認知プロセスを相互運用するために設計されたソフトウェアフレームワーク

2.Goertzel, Pennachin, Geisweillerの著書「Engineering General Intelligence vol.2」に記載されているデザインをベースに、人間レベルの(あるいはそれ以上の)AGIを構築することを目的としたプロジェクト

3.人のコミュニティ、そして上記を指向した非営利財団

OpenCogよりもOpenAIの方が資金面でははるかに優れており、現在はDNN(ディープニューラルネットワークス)にも力を入れています。OpenCogはDNNの側面も持っていますが(香港とエチオピアでは現在、知覚のためのDNNをAtomSpaceに統合する実験的な作業が行われています)、アーキテクチャやプロジェクトの中心的な側面ではありません。

数々の違いを理解するための第一歩は、OpenCogが人間のような一般的な知能の包括的なモデルと、ここから人間レベルの(そしてそれ以上の)AGIに到達するための包括的な全体計画に基づいて設立されていることに注意することです。

一方で、OpenAIは(彼らの公の声明や行動から)現在のDNNからスタートし、それを様々な興味深く価値のある方法で応用し、拡張していくという一般的な計画に基づいているように見えますが、このようにしてAGI問題全体の一般的な計画やモデルはあまりなく、AGIに向けて段階的に進んでいます。

OpenCogでは、このようなインクリメンタルな実験やいじりを多く行っていますが、明確に定義された高レベルの認知モデルやゲームプランもあります。

形式的なニューラルネットワークがAGIへの道であると確信しているならば、OpenCogよりもOpenAIの方が好きになるでしょう。複数の異なる種類のAIアルゴリズムが共通の表現基盤上で一緒に動作する統合的なアプローチ(DNNだけでなく、確率論的論理定理証明、進化学習、概念ブレンディングなども含む)にオープンであれば、OpenCogの方が魅力的かもしれません。

もう一つの現実的な違いは、現在、OpenCogコミュニティの多くのメンバーが、Hanson Robotics社との共同研究の文脈で、OpenCogをヒューマノイド型ロボットに適用することに取り組んでいることです。一方、OpenAIは他の種類の問題に焦点を当てています。OpenCogは他の様々な分野でも利用されており、ロボット工学とは関係ありませんが、現在の取り組みのかなりの割合はそのような方向性を向いています。ですから、もしあなたがヒューマノイドロボットの制御で遊びたいのであれば、OpenCogの方が適しているかもしれません。

最後に、コミュニティ的な違いとしては、OpenCogはその戦略や意思決定などの点でかなりオープンに見えるということです。Tensorflowは “オープンソースのクローズド戦略”と言えるオープンソースプロジェクトの例です。OpenAIはTensorflowほどではありませんが、古き良きリブレのソフトウェアコミュニティの精神で「包み隠しをしない」OpenCogよりも確かにはるかに優れています。

2016年12月26日のQuoraでの投稿

分散型AIアライアンスDAIA

DAIAのホームページはこちら

ベン・ゲーツェル氏は、AIとブロックチェーンに特化した新しい業界団体、Decentralized AI Alliance(DAIA)も設立しています。DAIAは、2018年5月22日にSingularityNETとAI Decentralizedによって設立され、Chairmanをベン・ゲーツェル氏、PresidentをToda Networkのトゥフィ・サリバ氏が務めています。DAIAは、人工知能へのアクセスと創造を分散化し、民主化するためのシステムやツールに取り組んでいる企業、非営利団体、研究室を結び付けます。この団体にはAI専門の分散型データ交換のOcean Protocol、宇宙産業をターゲットにしているNexusなど、現在世界中から50社以上の企業が参加しています。

AIを民主化するというDAIAのミッションは『分散化され、民主的に管理されたオープンなAI技術の創出を支援し、AI技術の創出や利用にかかるコストや障壁を劇的に低下させ、AIの能力の進歩に合わせてAIの開発への幅広い参加を促し、幅広い利益のためにAIの応用を促進すること 』です。DAIAは、SingularityNETのエコシステムとしても機能します。

<随時情報は追加します>

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