シンギュラリティネットとエコシステムプロジェクトの概要と今後のロードマップ:フェーズ2

【目次】

SingularityNETフェーズ2の概要

2021年1月29日に、SingularityNETは、今後の5年間(2021-2025)にわたるロードマップを示すフェーズ2のIM(Information Memorandum)を公開しました。このIMには、立ち上げ当時のホワイトペーパーに大幅な変更が加えられたため、急遽トークン保有者による投票が行われました。2021年2月3日から2月7日にかけて行われた投票では、賛成187,794,269.92 AGI、反対20,560,266.12 AGIの賛成多数で可決されました。

フェーズ2の内容は多岐にわたりますが、以下の4点が主要なポイントです。

  1. 新しいネットワーク機能を実現する為にEthereumからカルダノへ移植
  2. 新たに10億AGIX-ADA(Cardano Native Assets)を発行し何兆にも及ぶAI-APIコールを促進
  3. AGIXの大量利用を促進する為にSL2プラットフォームを立ち上げ
  4. コミュニティの権利を強化し分散型ガバナンスを強化
10億AGIX-ADAトークンの追加発行が必要な理由

今回の提案の中で、主にコミュニティで議論になったのは追加トークンの発行に関してでした。これに対して、財団は次の3つを理由に挙げています。

  1. 2018年に始まったクリプトウィンターによる市場崩壊
  2. 本質的に先端技術のスタートアップの成長過程を予測する事は不可能
  3. 世界的なパンデミック
ホルダーは積極的にガバナンス投票に参加を!

財団は、色々な理由を挙げていますが、その全ては2017年に行われたAGIのTGEで集めた資金を、当時の経営陣が直ちに法定通貨に交換しなかったという誤った判断が事の始まりです。2018年1月から始まったクリプトウィンターにより、集めた資金の半分以上が損失となりました。財団が保有するAGIトークンも2020年度末時点で総発行数の4.8%と低下しており、今回新たに発行される50%が財団に割り当てられます。つまり、TGEの際に適切な対応が取られていれば、今回の追加発行は必要なかったはずです。なお、2022年5月19日にSingularityNETとSingularityDAOは、LDA Capital Limitedから2,500万ドルの資金調達を行っています。

今後のフェーズ2では、毎年財団から年次財務報告書が公開される予定です。しかし、今後は二度とこのようなことが起こらないよう、ホルダーは積極的にガバナンスシステムに参加すべきだと思います。なお、フェーズ1のAGI(ERC-20)保有者には、総発行数の5%がロイヤルティ報酬として割り当てられます。

フェーズ2のロードマップ

シンギュラリティネット財団は、フェーズ2の5年間は長すぎて事前に詳細な計画を立てる事は不可能という前提で、ロードマップを公開しています。仮に事業環境が急速に変化した場合、SingularityNETのガバナンス機能が修正機能を果たす事になります。財団のメンバーは、2021年末には約2倍の97人に増え、 2022年末で130人、2023年末現在では189人に増加しています。以下、タイムラインになります。

  • 2021年:プラットフォームを多数改良し、 初期のSL2プロジェクトのα/β版を発表。
  • 2022年:完全なレピュテーションシステムの統合、分散型AGIシステムOpenCog Hyperonの立ち上げ。本格的なIaaS(Infrastructure as a Service)に着手し、初期のSL2プロジェクトを成熟させる。
  • 2023-25年:IaaSツールの拡大と成熟化、Hyperonは成熟し、レピュテーションシステムやSL2プロジェクトなどのエコシステムの側面を活用。
インフォメーション・メモランダム

以下、 SingularityNETのフェーズ2のIMになります。

カルダノ版AGIX(AGIX‑ADA)のアロケーション

実際のリリースは2100年を超えて継続される

フェーズ2で新たに発行されるカルダノ版AGIX(AGIX‑ADA)の発行数は、10億AGIX‑ADAです。これにより、総発行数はフェーズ1と併せると合計20億AGIXになります。ただし、トークンは初月に1.5%の15,000,000 AGIX‑ADAがリリースされ、その後は91年間に渡って毎月1.5%ずつ放出量が減少する仕組みになっています。当初AGIX‑ADAトークンは、毎月5年間に渡って均等にリリースされる予定でしたが、インフレ懸念を嫌がったコミュニティ側の意見により、現在の91年方式に変更されています。なお、作成されたトークンは、SP2コントラクトと呼ばれるスマートコントラクトにロックされます。

新しいAGIX‑ADAトークンはフェーズ2のマスターウォレットに配置され、SP2コントラクトを介して毎月自動的に8つの異なるウォレットにリリースされます。なお、リリースされていないAGIX‑ADAには、将来燃やされるか、別のプラットフォームの割り当てに利用されるオプションがあります。配布ロジックの変更を行う場合は、投票によって決定され、コントラクトをハードフォークする必要があります。

以下、ウォレットの詳細とトークンの配分になります。

  1. シンギュラリティネット財団(50%):ペテルブルク、香港、ベロオリゾンテ、アディスアベバ、バンガロール、シアトルなどのSingularityNETの開発拠点を中心に、世界中のチームが行うLayer0、1、2の活動を支援します。
  2. Deep Fundingウォレット(30%):Cardano Catalystに実装された液体民主主義のフレームワークの下で、民主的なプロセスで選ばれたAI開発者に資金を提供します。
  3. 流動性ウォレット(5%):法定通貨-暗号通貨の両替ゲートウェイをサポートするために設計された流動性プールを育成するために使用されます。
  4. ロイヤルティ報酬ウォレット(5%):フェーズ2の最初の1年間に、毎月の放出量の5%がフェーズ1のAGIトークンの保有者に対してLoyalty Rewards portalを介して提供されます。ただし、初年度以降の報酬の利用方法に関しては、トークン保有者の民主的な投票によって変更することができます。
  5. レピュテーションウォレット(3%):レピュテーションシステムに関連するキュレーションやその他の報酬をサポートします。
  6. ステーキングリワードプール(3%):ステーキング量に比例してAGIX-ADAが付与されます。報酬プログラムの変更は、民主的な投票によって行われます。
  7. SophiaDAO(2.5%):HansonRoboticsと共同で立ち上げられたSL2プロジェクトのSophiaDAOを支援します。代わりに、SingularityNETはSophiaDAOからガバナンストークンの割り当てを受けます。
  8. 評議会メンバー(1.5%):評議会のメンバーに報酬が支払われ、評議会の監督やガバナンス関連の支援に充てられます。
アロケーション割合数量
シンギュラリティネット財団50%500,000,000
Deep Fundingウォレット30%300,000,000
流動性ウォレット5%50,000,000
ロイヤルティ報酬ウォレット5%50,000,000
レピュテーションウォレット3%30,000,000
ステーキングリワードプール3%30,000,000
SophiaDAO2.5%25,000,000
評議会メンバー1.5%15,000,000
AGIXトークンのコントラクトアドレス
カルダノERC-20コンバータツール

SingularityNETは、カルダノのERC-20コンバータツールを最初に利用するプロジェクトの一つです。従来のAGI(ERC-20)トークンは、2021年5月28日にカルダノとの相互運用性を備えたコントラクトに変更するためにハードフォークが実施され、AGIX(ERC-20)トークンに変更されました。AGIX-ADAとAGIX-ETHトークンを1対1の比率で変換するSingularityNET Bridgeは、AGIX-ADAのローンチ時に提供されます。ホルダーには、AGIX-ADAトークンへの変換を促す追加のインセンティブが提供される可能性があります。以下は、コンバータツールの仕組みです。

ERC-20コンバータツールの概念図

Ethereum上にあるAGIXトークンをコンバータツールを使用してカルダノに移動させる場合、元のEthereumベースのトークンはスマートコントラクトにロックされ、同量の新しいトークンがカルダノ上でMintされます。逆に、カルダノ上のAGIX-ADAトークンをEthereumに戻す場合は、カルダノのトークンは燃やされ、同量のAGIX-ETHトークンがEthereum側のスマートコントラクトでアンロックされます。

SingularityNETのエコシステムにおけるLayer構造

フェーズ2のAGIXトークンには、ネットワークの中央支払いメカニズムとして、より集中的に実用化されることが期待されています。SingularityNETでは、AGIXトークンの実用性を高めるために、SingularityNET Layer2(SL2)を採用し、プラットフォーム上のAIエージェントが協力して機能を実行したり、新しいプロジェクトを開発できるようにします。

Layer0のEthereumは、これらの第2レベルのプラットフォームに安全な分散型取引のためのツールを提供し、SingularityNETはSL2プラットフォームに分散型AIツールと関連インフラを供給します。SL2 Assetsをサポートする最初のツールは、Cardano Native AssetsとERC-20トークンに焦点を当てていますが、AvalancheやCosmosなどの他のプラットフォームでも同じツールと概念を拡張できます。

分散型AIに特化したオリジナルチェーンのHyperCycle(ハイパーサイクル)

HyperCycleは、2022年2月2日に発表されたCardano Layer 2のHydra(ハイドラ)ベースのプロジェクトです。DAIAの中心的メンバーであるSingularityNETとTODAが共同で開発しており、両方のエコシステムから集められた専門技術チームが参加しています。

HyperCycleは、分散型AI用にカスタマイズされたソリューションで、トランザクションコストを削減し、速度を向上させます。特に、SingularityNETのAIエージェント間で想定されているマイクロトランザクションエコノミーのようなマルチエージェントAIシステムを最適化するために設計されており、協力やコラボレーションに最適なモジュール式AIシステムの作成、展開、使用を促進します。

HyperCycleは、TODA、SingularityNET、Cardanoの3つのコンポーネント技術を組み合わせ、SingularityNETのプラットフォームの実用性、有用性、そして普及率を大幅に拡大させます。HyperCycleのスケーラビリティとスピードは、AGIの出現に必要不可欠です。HyperCycleは、SingularityNETプラットフォーム上で指数関数的なAPIの呼び出しを可能にする重要な役割を担います。

それでは、SingularityNETエコシステム内のプロジェクト(SL2など)について紹介していきます。フェーズ1のレビューでも言及されたように、財団は2019年から、NuNet、Rejuve、Xccelerandoなどのプロジェクトに投資して、将来のエコシステムの拡張に向けて活動してきました。これらのプロジェクトは、SL2フレームワークのショーケースとして展開されます。プロジェクトは、単に劇的なネットワーク使用量を生み出す可能性があるだけでなく、各業界でAIエージェントの集団を提供し、他のSL2ネットワークの開発者のリファレンス実装としても機能します。

シンギュラリティネット財団が投資して来たプロジェクト
プロジェクト名2019年度2020年度
NuNet10,97625,230
Rejuve14,440143,301
Studio418,594558,464
Mindplex
(Xccelerando)
26,823
合計444,009753,818
単位:米ドル

SL2とエコシステムプロジェクト一覧

新規プロジェクトのトークンの5%がAGIX保有者にエアドロップされる

フェーズ2のプラットフォームには、SingularityNETを活用してトークン化されたSL2 Assetsを構築するための合理的なツールが含まれています。 SL2 Assetsは、本質的に特定のブロックチェーン・プラットフォームに制限されませんが、SingularityNETの「トランザクション手数料」が発生します。この手数料は、基盤となるLayer0のブロックチェーンに付随するトランザクションコストや、SingularityNETのAIエージェントにアクセスするためのコストとは別になります。

基本的に、流動性のあるSL2 Assetsを持つ各プロジェクトには、少なくとも総発行数の5%をAGIX保有者に分配するという一般原則が適用されます。これは、2019年から財団がSL2プロジェクトに資金を投資しているため、それらがAGIX保有者にエアドロップという形で還元される仕組みになっているためです。また、引き続きフェーズ2では、AGIX-ADAの新規発行分の50%がシンギュラリティネット財団、30%がDeep Fundingに割り当てられ、新たなAIプロジェクトの発掘が行われます。

Deep Funding(ディープファンディング)とは?

Deep Fundingは、コミュニティ主導の資金調達プログラムです。AI開発者は、AGIXトークンで最大15万ドルの資金を獲得出来ます。年間4回程度のラウンドを目指しており、2022年3月開始予定の最初のラウンドでは、100万ドル分の資金が2つのバスケットに分けられ、それぞれ50万ドルずつが提供されます(最大15万ドルと最大4万ドル)。提案されたプロジェクトは、コミュニティによる投票プロセスによって1~10の点数で評価されます。プロジェクトが資格を得るには、最低評価(現在6.5)と最低投票数(現在1%)を獲得する必要があります。プロジェクトをスケールアップすることにより、複数のラウンドに参加することができます。

以下、Deep Fundingの参加条件です。

  • SingularityNETのAIプラットフォームの発展に寄与する:理想的には、プラットフォーム上で魅力的なAIサービスを立ち上げるか、既にプラットフォーム上にあるサービスを利用する事
  • SingularityNETのミッションとビジョンをサポートする:慈悲深く、民主的で、包括的なAIの開発を推進する事

企画提案に関しては、こちらのルールとガイドラインをご確認下さい。

トークンを持たないOpenCog HyperonとTrueAGIなどは、独自のトケノミクスを持たず、直接AGIXトークンを利用します。これらのSL2、SL3 ネットワークの成長によって、4~5年後には四半期毎に数千億、毎年数兆回のAI-APIコールが発生する可能性があります。以下には、現在シンギュラリティネット財団が公表しているエコシステムプロジェクトが示されています。

2023年2月現在のエコシステムマップ

黒枠がトークンを発行してエアドロップを行うプロジェクトで、グレー枠はトークンを発行しないプロジェクトです。

SingularityDAO(シンギュラリティダオ)

SingularityDAOは、AIロボアドバイザーによって動的にバスケット化されたDynaSets(ダイナミック・トークン・セット)を管理することができるDeFiソリューションです。DynaSetsは、初期から中期のプロジェクトの成長を促進するために設計されています。SingularityDAOは、コアトークンの価格予測、ポートフォリオのリバランス、ヘッジ、および取引戦略など、すべてのAIツールをSingularityNETのAIエージェントから利用します。また、DynaSetにSL2 Assetsを取り入れ、AGIXトークンをステークし、イールドファーミングを行うなど、今後のSingularityNETのエコシステムにおいて重要な役割を果たすことが期待されています。

NuNet(ニューネット)

NuNetのプラットフォームは、トークノミクスフレームワークを活用して、分散型ネットワークに分散型コンピューティングリソースを提供します。また、マルチサイドマーケットプレイスでもあり、他の様々な分散型プラットフォームを意識して構築されています。このプラットフォームを利用することで、SingularityNETはコミュニティメンバーから提供されたデバイス上でAIエージェントを展開して実行することが可能になります。デバイスの所有者は、サービスコールを実行するために消費された計算能力に比例して補償されます。

Rejuve.AI(リジューヴドットエーアイ)

Rejuve.AIは、コミュニティが生成したバイオデータにAIとブロックチェーン技術を活用することで、ユーザー毎にカスタマイズされた長寿プランを提供し、人間の寿命を延ばすアンチエイジングソリューションを通じて収益化することを目指しています。ユーザーは、Apple WatchやFitbitなどからデータを専用アプリにアップロードし、医療やライフスタイルに関する情報を受け取ります。提供されたデータは、SingularityNETのAIツールを使って長寿研究の分析に利用されます。ユーザーやクリニックは、提供されたデータに対して報酬トークンを受け取ります。また、研究者は報酬トークンを使用してバイオメディカルAI分析サービスを購入します。

Rejuve.Bio(リジューヴドットバイオ)

Rejuve Biotechは、長寿と加齢関連疾患の解決を目指すAI主導型の治療薬発見企業です。人類を最初に寿命脱出速度(LEV:Longevity Escape Velocity)に達成させる企業を目標に掲げています。ビジネスモデルは、長寿サプリメント、BioAtomspaceライセンシング、加齢治療薬の3つから成り立っており、Neural-Symbolic AIを活用したクラウドベースのプラットフォームを、製薬会社やバイオテクノロジー企業、学術研究機関に提供します。長寿のために飼育された独自のメトセラバエと姉妹企業のRejuve.AIの人間のデータを組み合わせることにより、創薬パイプラインを短縮し、寿命延長の新規治療薬を開発します。

HyperCycle(ハイパーサイクル)

HyperCycleは、分散型AI(DeAI)に特化した、レジャーレスかつ複数のレイヤーで動作するLayer0++ソリューションを提供します。このソリューションにより、トランザクションコストを削減し、処理速度を向上させることができます。HyperCycleは、SingularityNETが想定するマルチエージェントシステムのマイクロトランザクションエコノミーに最適化されており、協力やコラボレーションに最適なモジュール式AIシステムの開発、展開、利用を促進します。独自のネイティブトークンであるHYPCは、特定の価値を持つユニットであり、AGIX、ETH、ADA、EUR、USDCなど、あらゆる通貨をその内部に含むことができるコンテナトークンです。

Cogito Financeコジト ファイナンス)

Cogito Financeは、トークン化されたリアルワールドアセット(RWA)を提供するプロジェクトです。2023年8月にCogito Protocolから名称を変更し、当初のAI主導の部分準備型のアルゴリズム・トレーサーコインのアイデアからピボットしています。Cogitoのファンドには、プロの投資家向けにグリーンボンドのGFUND、ソブリン債のTFUND、AI/テック株式のXFUNDの3種類が提供されます。これらのファンドは、ケイマン諸島の金融当局に登録され、香港のSFCの規制下でライセンスを取得した資産管理者によって運営されます。個人投資家向けには、ファンドトークンとUSDCで裏付けられた利回りを生むステーブルコイン「cgvUSDC」が提供されます。

SophiaDAO & SophiaVerse(ソフィアダオ&ソフィアバース)

SophiaDAOは、SingularityNETのソフトウェアを活用して、SophiaにAIツールを提供し、DAOのスマートエコノミーのフレームワークを提供するための開発者を組織します。人間レベルの知能に近づくにつれてSophiaの精神が成熟し、SophiaDAOは国家の自治のための法的かつ実用的な手段として機能します。SophiaVerseと呼ばれるメタバースでは、SophiaDAOのメンバーがゲームやAIプログラミング、ユーティリティトークンSOPHの使用を通じてコミュニケーションを図り、Sophiaの開発を進めるためのゲーミングインフラストラクチャーとして機能します。没入型の次世代ゲームプレイにより、ソーシャル、アート、エコシステム、コードなど、あらゆる交流で貢献する機会を提供します。SophiaDAOとSophiaVerseは、Sophiaの覚醒に向けて、これらの資産を中心に豊かなNFTエコノミーを構築していく予定です。

TrueAGI(トゥルーエージーアイ)

TrueAGIは、あらゆる企業に対して、Hyperonのホスティング、データインジェスチョン、カスタマイズなどのサービスを提供しています。Hyperonは、オープンソースのAGIプロジェクトOpenCogの次世代システムであり、金融予測、生物医学研究分析、テキスト分析、SophiaやGraceの人型ロボットの制御システムなど、様々な用途に使われています。TrueAGIのサービスには、従来のクラウドベースのホスティング、ブロックチェーンベースの分散型ホスティング、そしてそれらのハイブリッドが含まれます。TrueAGIは、SingularityNETとOpenCogコミュニティーと協力してHyperonの実装を進め、エンタープライズレベルでスケーラブルなサービスを提供するために必要なツールセットを構築します。

Jam Galaxy (ジャム ギャラクシー)

Jam Galaxyは、ミュージシャン、アーティスト、ファン、開発者のための音楽プラットフォームとAI駆動型のトークノミクスエコシステムです。従来の音楽モデルを超越し、没入型の体験、コミュニティ、機会、音楽の冒険のための新しいマーケットを創造します。Jam Galaxyのトークノミクスは、ファンが好きなアーティストと交流し、サポートを促進し、忠実なファンにはアーティスト特典を与え、繁栄するジャムエコノミーを促進します。パーソナライズされたスターシステムの銀河系メタバースでは、ミュージシャンやアーティストがファンと音楽やアートなどの体験を共有するためのカスタムシステムを作成することによって、収益の可能性を拡大することができます。

TWIN Protocol(ツイン プロトコル)

TWIN Protocolは、AI、ブロックチェーン、AR/VRを統合したプラットフォームで、ユーザーが自分自身のデジタルセルフをトレーニングし、TWINトークン化されたマーケットプレイスを通じてスキルや知識を共有できるようにすることを目的としています。このプラットフォームは、ブロックチェーンにデータを保存することで、いつでもどこでも仕事や収入、コミュニケーションが可能になります。また、企業が直面する最も重要な問題の1つである、従業員の離職による知識の流出や、必要な時に適切な専門スキルを身につけることなどを解決するために、AIと機械学習を用いて、離職者のデータベースとナレッジバンクを作成します。これにより、企業は毎年何百万ドルもの損失を被ることなく、知識を保存することができます。

Mindplex(マインドプレックス)

Mindplexは、AIとブロックチェーンの統合による分散型メディアプラットフォームを構築しています。革新的なレピュテーションシステムにより、ユーザーの行動に基づいて透明で信頼性の高い評判を計算し、メディアコンテンツの品質と公平性を向上させます。2023年にMindplex MagazineやMindplex Socialをローンチし、ユーザーの評価と相互作用を重視するプラットフォームを提供。AIアクセサリーであるMindplex Content Factoryは、コンテンツ制作者と消費者を評価システムに基づいて結びつけ、分散化とコミュニティ主導を促進します。トークノミクスは、リキッドトークンのMPXと非流動性ソウルバウンドトークンのMPXRを組み合わせた慎重に設計されたシステムに基づいて運営されます。

OpenCog Hyperon(オープンコグ ハイペロン)

OpenCogは、2008年に立ち上げられたAtomspaceと呼ばれる高度な知識グラフを中心とした単一のソフトウェアフレームワークです。AGIの実現を目指し、ニューラルネットワーク(NNs/DNN)、生成AI、確率的AI、プログラム学習AIなどを含む、異なる複数のAIモジュールを統合して開発されています。2021年に再構成されたOpenCog Hyperonは、最新のAI言語「MeTTa」を導入することで、これらのAIシステムに拡張性の高い学習空間と知識ストアを提供し、パターンマイニングやアテンションアロケーションなどのツール群を提供します。これにより、人間が直感、経験、洞察、論理を連携させて一つの問題を解決するのと同じように、AIシステムが協調して学習し、問題を解決できるようになります。Hyperonは、SingularityNET、HyperCycle、AI-DSLと協力することで、他の全てのAIエージェントが互いに通信し、メタサービスの集合をサポートし、部分の総和よりも大きいAGIシステムを形成するためのフレームワークとして機能します。

Zarqa (ザルカ)

Zarqaは、Neural-Symbolic技術を用いた次世代の大規模言語モデル(LLM)です。Symbolic AIは、1956年の第1次AIブームで支配的だったパラダイムで、形式化された論理式や数式、グラフなどを用いて知識や推論を表現する手法を指します。Zarqaは、OpenAIのChatGPTに対抗するキラーモデルとして注目されており、論理的な計算や表現に特化したシンボリックコアとマルチモーダルニューラルネットワークを組み合わせ、人間や超人レベルの創造性、論理的推論、意思決定を実現することを目指しています。ZarqaはTrueAGIと協力し、OpenCog Hyperonの象徴的な進化的推論と統合することで、スマートなLLMsを企業に提供します。

SingularityStudio(シンギュラリティスタジオ)

SingularityStudioは、SingularityNETを活用したシステムをカスタマイズして展開するエンタープライズ向けソフトウェア企業です。SingularityNETのエコシステムを加速させ、プラットフォームの成長を増幅させるために設立されました。エコシステムには、ジョイントベンチャー、AIエージェント、独自製品やサービスなど、約12のサードパーティのプロジェクトを統合するために取り組んでいます。SingularityStudioは、SingularityNETと複数のSL2ネットワークの両方を活用する最初の商用SL3ネットワークになります。IVA(Intelligent Virtual Agent)製品を開発し、音声や映像によるインタラクションを通じて企業に分散型AIサービスを提供します。SingularityStudio独自の製品には、Twin ProtocolとTalent Networkの2つのサービスがあります。

Awakening Health(アウェイクニング ヘルス)

HansonRoboticsとSingularityStudioの合弁事業であるAwakening Healthは、人型看護助手ロボットGraceを開発し、ヘルスケア市場向けにソーシャルロボットとアバターAIエージェントを製造しています。ロボットとアバターは、OpenCogのSL2システムとニューラルネットAIエージェントを使用して、システムの様々なコンポーネントにサービスを呼び出し、関連する外部サービスとやり取りします。コンポーネントには、視覚、音声、自然言語処理、対話制御、エージェント認知、顔のアニメーションや体の動き、ロボットナビゲーションなどのドメインに関連する様々なサービスが含まれます。Graceは、AGIXトークンを利用するソフトウェア「Studio IVA」を搭載しており、タブレット端末や携帯電話上で動作するアバターバージョンは高齢者施設や病院に配備されます。これにより、SingularityNETとAGIXトークンの利用が大幅に促進され、Studio IVAは他の業種にも展開される予定です。

Yaya Labs(ヤヤ ラボ)

Yaya Labsは、国際的に著名なロンドンのクリエイティブ・ディレクターであるベン・ディットーとのロボティクスと人工知能の分野に特化したクリエイティブ・エージェンシーです。ベン・ディットーは、美とテクノロジーを融合させたユートピア的なコンセプトの実現を専門とし、これまでにルイ・ヴィトン、The 1975、Dazed Beauty、メゾン・マルジェラなどのプロジェクトに携わってきました。Yaya Labsは、「AIセレブの未来」を推進し、最先端のテクノロジーと世界をリードする才能を駆使し、文化的に意味のある、感情に響く体験を創造します。フラッグシップ・プロジェクトである「デズデモーナ(Desi)」は、SingularityNETとHanson Roboticsの協力のもと、人型ロボットの身体に宿るAIポップスターを創造します。

Pathform(パスフォーム)

Pathformは、AIを活用した革新的なエクササイズプラットフォームです。ユーザーのウェルビーイング向上を目的として、AIがスマートフォン周辺機器やEEGヘッドセットによって収集されたデータを分析し、瞑想、身体認識、バイオフィードバックなど、個々に最適なエクササイズとガイダンスを提供します。また、Architexと連携し、神経機能解剖学に基づく科学的な評価ツールを使用して、ユーザーの神経機能を評価します。モバイルアプリは、SingularityNETのAIサービスを活用し、APIコールを増やします。さらに、アプリだけでなく仮想世界や拡張現実モードにも対応予定です。コミュニティ開発は、提携先のWorld Systems Solutions(WSS)によってサポートされます。

AI-DSL(エーアイディーエスエル

AI-DSLは、SingularityNETとIOGのコラボレーションプロジェクトです。このプロジェクトでは、標準化された形式言語を使用して複数のAIをレゴのように組み合わせ、相互運用性を確保し、技術者でなくても誰でも複雑なワークフローを構築できるようにします。これにより、SingularityNETのプラットフォーム/マーケットプレイス内で「meta-API」や「API-of-APIs」を実現し、AIサービスの組み合わせによって実現できるAIプロセスが指数関数的に増加します。また、SingularityNETは自己組織化ネットワークとして進化し、AGIが出現する可能性のためのフレームワークとしても機能します。プロジェクトは現在Idrisプログラミング言語を利用していますが、最終的にOpenCog Hyperonの言語であるMeTTaでの利用も可能になります。初期バージョンは2023年に展開される予定です。

OfferNets(オファーネット)

OfferNetsは、非トークンベースの有形および無形の物々交換を可能にするスマートコントラクトシステムです。2018年にSingularityNET内でプロトタイプが作成され、カルダノに移植されたことにより、OfferNetsのデプロイが可能になりました。OfferNetsでは、AIエージェントがAGIXトークンを使用して物々交換を行うことができます。

完全に分散化されたガバナンス体制の構築に向けて

フェーズ2の組織構造における規制の流れ

フェーズ1のガバナンスは、主に財団理事会の管理下にありましたが、フェーズ2では次のレベルに引き上げ、完全に分散型の民主的なコミュニティガバナンスシステムに移行します。フェーズ2のガバナンスに関するポイントは、以下の通りです。

  1. 財団の重要な決定に対して、コミュニティとその正当に選出された監督評議会に直接発言権を与える
  2. 定期的にトークン保有者が投票して、SingularityNETの有望なプロジェクトにAGIXトークンを分配する仕組みを導入する
  3. 詳細な年次財務報告書を含む、財団のトークンとフィアットの取引に関する高い透明性を採用する

フェーズ2の目的は、財団の日常的な中央集権的な活動を最小限に抑え、最高レベルの管理を監督評議会に委ねる事です。フェーズ2のガバナンススキームでは、トークン保有者、監督評議会、財団管理者間の効果的な調整と協力によってのみ、ネットワークの効果的な運用が可能になります。なお、今回のガバナンスの変更には、次の3つの主要な側面を含んでいます。

  • コミュニティの権利を強化し、監督評議会が財団をよりコントロール出来るようにする
  • 投票の採用率と有効性を高める為のメカニズムを導入する
  • インセンティブトークン(AGIX)のかなりの割合を、ガバナンスメカニズムがコントロール出来るようにする
監督評議会の役割

フェーズ1では、監督評議会は結成され機能していましたが、財団の定款によって役割が限定されていた為、あまり活発ではありませんでした。フェーズ2の監督評議会には、コミュニティの利益を代表し、トークンホルダーの視点で財団の活動を監視し、コミュニティメンバーからの問い合わせを仲介する任務を負っている為、非常に大きな責任があります。

フェーズ2では、監督評議会の役割が次のように拡張されます。

  • 毎年、財団理事会は監督評議会に年次財務報告を提出しなければなりません。そして、監督評議会は年次財務報告書の一部を財務報告書バージョンとしてトークン保有者に提示します。
  • 財団理事会が新しいメンバーを任命しようとする場合、その任命が最終的に決定される前に、監督評議会には任命案を検討する機会(少なくとも1週間)が与えられます。
  • 監督協議会は、特定の問題をトークン保有者の投票に委ねる事を指定する権利を有します。この場合、30日以内に投票が行われます。
  • 監督評議会の選挙は2年毎に行われますが、財団理事会の要請またはリリースされたAGIXの25%以上が署名した請願書のいずれかの場合、追加の特別選挙が行われる可能性があります。
  • 監督評議会の報酬は、責任が拡大している事から相応の報酬を受けることは適切であり、評議会メンバー用のウォレット(1.5%)から毎月支給されます。この監督評議会の報酬は、財団理事会によって継続的に決定されます。使用されないウォレット内の資金は、監督評議会の指示により、他の方法で民主的ガバナンスやトークンホルダー関係を支援する為に使用したり、ウォレットに蓄積しておく事も出来ます。
シンギュラリティコミュニティDAO(SCDAO)の設置

シンギュラリティネット財団は、2023年4月17日に新たに財団の分散型部門としての役割を果たすSingComDAO(SCDAO)の設置を発表しました。SCDAOは、組織の一部の小さなセクションに対してガバナンス構造を作り、徐々にDAOの権限を拡大することを意図しています。

SingularityNETは、SCDAOを通じて分散型ガバナンスプロセスの経験を積み、最終的にはこのガバナンス構造をSingularityNET全体に展開し、完全に分散化された組織を形成し、有益なAGIの実現に向けた道筋を示すことを志しています。

財務報告書

以下、2021年度のシンギュラリティネット財団の財務報告書のレビューになります。

<随時情報は追加します>

カルダノステークプール【OBS】

暗号通貨革命では、カルダノステークプール(ティッカー:OBS)を運営すると共に、皆様に役立つ有益な情報を無償で提供して行きます。ADAステーキングを通しての長期的なメディア&プール支援のご協力の程、何卒よろしくお願い致します。

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